特集
「工場長にどう報告すればいいんだ」と詰め寄られた原価管理担当者のアイデア(2/4 ページ)
原価管理部の藤井は、生産管理部長から掛かった電話に出るのに躊躇した。「藤井君。製品Aの実際原価はいくらだ。儲かっとるのか!」いつもの大きな声である。
製品そのもののコスト削減を考える
本題に入る前に、先日東京ビッグサイトで開催された第17回設計製造ソリューション展を訪れた際のお話をしておきたい。(弊社も毎年恒例で出展している)どのブースでも、CAD/CAM/CAE、BOMによるデータ連携、情報一元化によるリードタイムの短縮など、業務プロセスの効率化ばかりを訴求していた。
だが、製品そのものに掛かるコストをどのように最適化するかについて述べる出展者はあまり見かけなかった。実際には、企業にとって今こそ製品のQCD(ET)のコントロール力をつけることが大切になってきている。製品コストのコントロール、マネジメント力を見直すべき時なのである。
そのために本当に必要なソリューションは何であろうか?
コスト最適化を再考する
さて、ここから本題である。前述した通り、現場は涙ぐましい努力を続けており、それを無視して市場変化の激しさに現場力だけで対応しようとしても限界がある。そこでいま一度、製品コストの最適化とは何かを問いたい。
結論からいうと製品コストの「最適化」 と「削減」は異なる。企業の目的はあくまでも利益を生み出すことであり、コスト削減はあくまでもその手段でしかない。
そのためには、下記の2点をもう一度考えるときが来ている。
- 1.製品の売価(Pricing)を最適化し、1円でも高い売価をつけるにはどうすればよいか? (戦略的な売価管理)
- 2.現場だけに頼るのではなく、部門連携し1円でも安い製品を作りこむにはどうすればよいか? (組織横断のコスト管理)
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