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「工場長にどう報告すればいいんだ」と詰め寄られた原価管理担当者のアイデア(3/4 ページ)
原価管理部の藤井は、生産管理部長から掛かった電話に出るのに躊躇した。「藤井君。製品Aの実際原価はいくらだ。儲かっとるのか!」いつもの大きな声である。
売価戦略の立案
今回(第1回目)は、多くの企業が悩む売価設定について思考していきたい。
売価管理について重要なポイントは、自社製品の価値を再認識し、市場におけるポジショニングを明確にする事にある。特別な手間は掛からないのに、実際にはあまり行われていない。
いくつかの例を紹介したい。競合(Competitor)、自社(Company)、顧客(Customer)という「3つのC」のうち、競合と自社製品の関係性についてのポジショニングを確認して行こう。(図1-2)
まず、自社製品の付加価値性と競合の多さという2点について、マトリクス上でのポジショニングを明確にしなくてはならない。
例えば、付加価値が高く、競合が少ない場合(ポジション?)では、自社がマーケットリーダーであるため、想定原価をベースにそこに利益を上乗せした売価決定が可能になる。ソニーが発売した小型のハイビジョンビデオカメラなどはここに該当する。
逆に、付加価値が低く、競合が多いコモディティ商品の場合(ポジション?)では、顧客価値ありきで売価を設定せざるを得ない。このように、マトリックス上で自社製品のポジションを定義することによって、売価設定を何に基づいて決めるべきかが見えてくる。
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