iPod追撃のシナリオ、Zuneはシェア2位でも成功か(3/3 ページ)
MicrosoftはZuneデバイスに機能を詰め込むことなく、幾つかの中核機能を効果的に発揮させることに重点を置き、携帯プレーヤー分野で強力な地位の確立を目指そうとしている。Zuneはまだ拡張の余地を残している。
Microsoftはシェア2位でもかまわない?
AppleがiPodとiTunesで巨大なシェアを持っていることから見て、Zuneは2位の地位をしっかり確保すれば、成功と考えられるだろう。当分の間、これらの分野でAppleの優位が続くのは確実だ。
だが、Zuneの市場は、次世代ホームエンターテインメント技術に基づくビジネス競争の最前線の1つにすぎない。この競争の展開を大きな視点で見ると、MicrosoftがAppleよりも先行している分野もある。
例えば、Zuneの詳細が明らかにされる2日前に発表され、2007年にリリースが予定されているAppleのiTV製品は、iTunesを導入したコンピュータから、コンテンツをホームネットワーク経由でTVに配信することを可能にする。これは基本的に、2004年に導入され、Xbox 360に標準装備されているMicrosoftのMedia Center Extender技術に追随したものだ。
しかし、Appleは、効果的に連携するように設計されたデジタルメディア製品を徐々に投入するというアプローチを取っている。一方、Microsoftは、PCをホームエンターテインメント戦略の中心に据え、ハードウェアやサービスなどの足りない部分の補完については、パートナーに大きく依存してきた。
だがXboxとZuneや関連サービスでは、Microsoftのアプローチは、トータルなコントロールを進めてきたAppleの手法にならったものに変わってきているようだ。とはいえ、Microsoftはこの転換を完了するまで、Appleよりもはるかに困難な状況に置かれるだろう。自社が抱える各種の異なるエンターテインメント製品群の包括的な体系化に取り組まなければならないからだ。
関連記事
- このスペックなら勝てる? Zuneが挑むiPodの独占市場
何カ月もうわさの的となっていた、Zuneデバイスの最初の製品に関する詳細が正式に発表された。最初のZuneデバイスはかなりシンプルな携帯音楽プレーヤーとなり、デバイス間での楽曲の無線転送などユニークな機能も提供する。 - Zuneが成功すれば、Windows Media Playerの開発は縮小?
デジタルメディア機能の重複により、Microsoftは将来、複数のデジタルメディアインタフェースをすべて開発し続けるかどうかは不明だ。特に、Zune PCソフトウェアの新機能の追加を、Windows Media Playerよりも速いペースで進めるかもしれない。 - iPod対抗「Zune」の詳細が明らかに――Microsoft、スペックを公開
AppleのiPodに対抗するMicrosoft「Zune」の詳細がついに公開された。容量は30Gバイト、米国での発売は年末になる見通しだ。同時にiTunes Store対抗の音楽ストア「Zune Marketplace」を立ち上げる。 - 奪えないiPod/iTMSの市場シェア、Zuneの突破口はどこに?
Microsoftはデジタルメディア製品/サービスの新ブランド「Zune」を立ち上げる。Zuneの第1弾となる携帯オーディオ/ビデオプレーヤーとオンラインストアが2006年中に登場する予定だ。 - Microsoftの新体制は今どうなっているのか?――コンシューマー分野編
Microsoftはオンラインサービスから撤退することも、Yahoo!などの大手競合を獲得することもしないが、利益を生むビジネスになるまで投資を続けることを明言している。また、Xbox事業は2008年度には黒字化が見込めるが、Zuneは当面赤字でのスタートになる。 - 絶好調のWindowsクライアント部門と収益を圧迫するXbox/MSN
Microsoftの2006年度第4四半期は、複数年ライセンス契約の好調な販売により、前受収益が大幅に拡大した。その一方で、ホーム&エンターテイメント部門およびMSN部門の経費が、堅調な収益を圧迫することになった。 - 特集:ベールを脱いだMicrosoftの「Zune」
関連リンク
Copyright(C) 2007, Redmond Communications Inc. and Mediaselect Inc. All right reserved. No part of this magazine may be reproduced, stored in a retrieval system, or transmitted in any form or by any means without prior written permission. ISSN 1077-4394. Redmond Communications Inc. is an independent publisher and is in no way affiliated with or endorsed by Microsoft Corporation. Directions on Microsoft reviews and analyzes industry news based on information obtained from sources generally available to the public and from industry contacts. While we consider these sources to be reliable, we cannot guarantee their accuracy. Readers assume full responsibility for any use made of the information contained herein. Throughout this magazine, trademark names are used. Rather than place a trademark symbol at every occurrence, we hereby state that we are using the names only in an editorial fashion with no intention of infringement of the trademark.