Oracle Fusion MiddlewareもWeb2.0──次世代クライアント環境を披露:Oracle OpenWorld San Francisco 2006 Report(2/2 ページ)
「Oracle OpenWorld San Francisco 2006」の2日目は、キーノートにOracle Fusion Middleware製品を統括するトーマス・クリアン上級副社長が登場し、Oracle SOA Suite 10g R3やOracle WebCenter Suiteを発表した。
ここでも分析のためのレポート作成に、ITの専門家が介在する必要はない。ビジネスオーナーが自分の見たい情報を取り込んだレポート画面を簡単に構築でき、作ったレポートは「クイックピック」という形で保存し、共有も可能だ。
これら一連の仕組みを実現するのが、オープン規格とホットプラグ対応のアーキテクチャーに基づいて構築された「Oracle SOA Suite 10g R3」だ。これには、「Oracle BPEL Process Manager」「Oracle Business Activity Monitoring」「Oracle Business Rules」「Oracle Enterprise Service Bus」「Oracle JDeveloper」、および「Oracle Web Services Manager」が含まれる。
Web2.0技術をエンタープライズで活用
今回のクリアン氏のセッションのもう1つの目玉が、Oracle Fusion Middlewareの新しいコンポーネントとして発表された「Oracle WebCenter Suite」だ。従来のWebポータルとエンタープライズアプリケーション、Web2.0の技術をシームレスに融合したもので、ユーザーとシステムとのあいだに新たな双方向の操作性、共有の空間を提供する。
最近、Blogのようにインターネットでもまれ、洗練された技術が、エンタープライズ分野でも使われ始めている。今回のWebCenter Suiteも、そういったWeb2.0の技術をフルセットでエンタープライズアプリケーションに適用するというものだ。
「Oracleは、インターネットのトレンドをきちんとチェックしている。AJAXやRSSフィード、BlogやWikiなどをエンタープライズでも活用することで、仕事のやり方やユーザー同士のコラボレーションが大きく変化する。それにより、今後は企業においてもWeb2.0の技術が活用されるようになると考え、WebCenter Suiteを今回発表するに至った」とクリアン氏は話す。
Web2.0の技術を利用して、取り込むコンテントは何でもいい。マッシュアップで、エンタープライズアプリケーションと直接接続できるようなるのだ。例えば、VoIPを取り込み、分析画面から関係者に直接連絡を取り、迅速な判断につなげることもできる。電子メールで届けられた1つのアラートレポートから、関係者をコミュニティーに招待し、BlogやWiki、ディスカッションフォーラムなどを使い、複数の人間がかかわる新たなプログラムタスクとして設定し、実行することも容易だ。共通の目的に対し、Web2.0で実現されるコラボレーションの仕組みを駆使し、リアルタイムなトランザクションデータを参照しながら、タスク指向で業務が行えるのだ。
WebCenter Suiteで、日常的なデスクトップでの作業とエンタープライズアプリケーションで行う作業のあいだに垣根がなくなり、インフォメーションワーカーの生産性も向上するという。今後、WebCenter Suiteは、2008年に提供予定の「Oracle Fusion Applications」の標準ユーザー環境となるという。
今回発表されたOracle WebCenter Suite 10g R3は、Oracle Application Server Enterprise Editionのオプションとして提供され、価格は1CPU当たり5万ドル。「Oracle WebCenter Framework」「Oracle WebCenter Sevices」、および「Oracle WebCenter Studio」という3つのモジュールで構成され、SIPベースのインスタントメッセージング、オンライン在席確認、スレッドディスカッション、Wikiサービスのほか「Oracle Enterprise Search」や「Oracle Content Database」の限定使用ライセンスが含まれる。
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