「端末に主導権を握らせない」、メルーが明かす無線LAN構築のポイント(2/2 ページ)
無線LANベンダーのメルー・ネットワークスは、独自の路線でエンタープライズ市場を開拓してきた企業。同社の幹部は、インフラ側で通信をコントロールすることが無線のパフォーマンスや信頼性を高める上で重要だという。
IEEE 802.11nは標準化の完了を待つべき
ITmedia 有線LANに比べて「最大7割コストを減らせる」としていましたが。
テネフォス すでにワイヤレス環境を導入したオフィスなら話は変わりますが、新規にネットワークを導入する場合の運用コストを含めると、かなりのコスト削減になります。使用チャンネルの構成、制限などの継続的なセル設計やAP設置に掛かる人件費といった要素は、WBSでは必要なくなります。
ITmedia IEEE 802.11nへの取り組みを教えてください。
テネフォス 802.11nというとデータの伝送速度がクローズアップされますが、われわれの現状の製品でも大抵のアプリケーションで必要なスループットは得られています。ただし、今はコンシューマー市場で11nドラフトに準拠した製品がリリースされているので、何らかの対応は検討しています。しかし、規格が標準化されない内は環境の移行は本格的に進まないと考えています。チップベンダーの動向を見て、標準に対応した製品を出していくことになります。
ITmedia 日本のモバイルビジネスをどのようにとらえていますか。
テネフォス 日本の携帯市場は他国に比べて2、3年は進んでおり、重要な市場だと考えています。また、VoWLAN(無線VoIP)についても品質面での要求レベルが高く、それに応えていくことがほかの地域での成功につながるでしょう。われわれは企業向けのソリューションに注力しながら、VoWLANの市場をリードできると思います。
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