個人情報漏えいへの警戒薄れ、防御策理解しきれず
個人情報の入力に慣れるも警戒意識は薄れ、防御策は理解しきれていない――シマンテックのオンライン詐欺に関する調査で、ユーザーのこのような意識が明らかになった。
シマンテックは12月20日、「オンライン詐欺に関する実態調査」の結果を発表した。ユーザーの個人情報漏えいへの警戒が薄まり、防御策を理解しきれていないことが浮き彫りになった。
調査によると、ここ1年でインターネット上で個人情報を入力する機会について、「かなり増えている」「やや増えている」との回答は合計で68.2%となった。「やや減っている」「かなり減っている」は約3%とほとんどみられなかった。
個人情報の「入力に慣れてしまった」のは48.3%と全体の半数近くに達した。個人情報の扱いに「鈍感になっている」と答えたのは 29.3% と、「敏感になっている」の16.5%を上回った。インターネット上の個人情報の扱いに対する警戒が薄れていることが分かった。
個人情報の入力によって起こることも多いオンライン詐欺について、「防御策を理解している」のは33.9%で、前回調査より7%下がった。「実際に被害に遭わない自信がある」が1.1% 、「たぶん大丈夫」が40.8%で、合わせて41.9%となった。前回の調査の49.6%を下回り、ユーザーがオンライン詐欺への防御策を理解しきれていないことが明らかになった。
詐欺まがいのWebサイトにアクセスしたことがあるのは回答者の38.8%だった。Webサイトの安全性の判断基準として、 38.8%が「セキュリティソフトが警告を出していないこと」、38.0%が「ページ内の文章に危険性がないこと」と回答した。インターネットの初心者および50代以上の女性は「よく分からない」と回答している。
過去にインターネット上で詐欺に遭ったり個人情報を聞き出された経験があるのは4%にとどまったが、「被害に遭っているかもしれない」と答えたのは24.9%だった。逆にいえば、回答者の4人に3人は個人情報漏えいの被害に不安を示していないといえる。
シニアリージョナルプロダクトマーケティングの風間彩マネジャーは「正式なWebサイトでもハッキング対象となる。自分だけは大丈夫という意識をなくすこと」とオンライン詐欺への理解をユーザーが持つことをうながした。
調査はネットワークを介した個人情報の流出やフィッシングサイトなどの不正コンテンツへの認識や接触、推移を調べることを目的としたもの。2007年10月にインターネット利用歴3年以上で男女15歳以上のユーザー1000名に実施した。
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