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あの2.0はバズワードだったのか?「行く年来る年2007」ITmediaエンタープライズ版(2/2 ページ)

DoCoMo、Info、Office、トロイの木馬、政治、新聞……。これらの単語が持つ共通点が分かるだろうか。そして、ここには出ていない単語が今年のIT業界をひそかににぎわした。

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2006年はエンタープライズ2.0の門戸広がらず

 エンタープライズ2.0の代表例に、企業内コミュニケーションの活性化を目的とした社内ブログの導入がある。gooリサーチが実施した2006年の調査「社内ブログの利用状況」によると、有効回答者数2207名のうち、電子メールやイントラネットユーザーの8割以上が、社内の知識やノウハウが共有できていないと答えている。

 調査時の社内ブログユーザーは5.5%とわずかだったが、65%以上が今後社内ブログを利用したいと回答した。簡単に使えることや気軽に参加できることを利用条件に求めていることも分かった。

 2006年は、ユーザーが社内の情報共有に既存のイントラネット以外に社内ブログなどの新たなツールを求めていたようだ。

2007年、普及するも核心に届かず

 gooリサーチが2007年に発表した「イントラネットとエンタープライズ2.0に関する調査」では、エンタープライズ2.0の導入によって、有効回答者1092人の約4分の1が、部署間の情報共有が進み、他部署の動きが見え自部署の役割が再確認できると答えた。

 またBeat communicationの「社内SNSアンケート」調査によると、導入効果として「知識や情報の共有に役立った」「社内コミュニケーションが活性化した」が約9割、「風通しが良くなった」が7割以上となった。エンタープライズ2.0の導入が社内コミュニケーションの活性化に結実したのが2007年の特徴だった。

 一方で、イントラネットとエンタープライズ2.0に関する調査では、エンタープライズ2.0の導入効果が分からないと答えたのが53.8%と半数を超えた。また社内SNSアンケートでは、「業務の効率化が進んだ」「時間が短縮できた」「人間関係の再構築に役立った」と答えたのは10%強にとどまった。

 導入効果については満足な結果が得られなかっただけでなく、効果が見られないという“最悪の結果”につながったことも少なくなかった。

バズワードで終わらせないために必要なこと

 企業は、コストを下げ、ROI(投資対効果)や売り上げや増やすとともに、業務を確実に遂行し顧客満足を生み出すことを至上命題に持つ。新しくて魅力的なWeb2.0の技術を取り入れても、それが企業にとって有益でなければ意味がない。

 企業は業務部門とシステム部門における考え方の違いが問題となることが多い。2007年までに有益なシステムを追加する動きは多くの企業で見られた。今後は、エンタープライズ2.0の導入がその企業にとって必要なのかを考え、社内のどこに問題があるのか、何をどう改善すればいいのかといった業務部門の改善を図ることが必要となる。それがエンタープライズ2.0をバズワードで終わらせないための秘訣となるのではないか。

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