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日本発の環境テクノロジーが世界を救う?:米国とは異なる日本のグリーンIT事情(4/4 ページ)
グリーンITはCSR(企業の社会的責任)の域を超え、企業が社会と地球環境へのコミットメントとしての重要な活動となりつつある。特にサーバやデータセンターの電力消費と熱問題が指摘される中、先進的なグリーンデータセンターを建設する動きも始まっている。
直流電源の積極的な活用も
グリーングリッドへの加入と時を同じく、CTCは首都圏で3拠点目となる次世代型グリーンデータセンターを、都心の山手線内に建設することを発表した。空調機の台数制御やサーバの電力監視、冷熱、放熱混合ロスを最小限にする排熱システムに加え、高効率で低消費電力を図れる直流電源の積極的な活用が特徴だという。
土地が広大で、安価な電力を求めて水力発電所の近くにメガ・データセンターを建設してしまう米国企業とは異なり、電力の地域価格差がない日本においては、地震や台風などの災害に耐え、かつ限られたスペースに省エネのノウハウが凝集された超高密度のデータセンターが生まれる可能性がある。
「新データセンターは、日本発の環境テクノロジーを世界に示す好機でもあり、今後のデータセンターの革新へとつながっていくもの」と話す赤木氏。新データセンターで得られた高効率化のデータは、グリーングリッドに対し積極的に公開していくという。
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