「ブレードが最大の省電力マシン」――HPがエネルギーの目標削減量を5%上乗せ
ブレードシャーシが最大の省電力マシン――と意気込むHPは、2010年までのエネルギー削減目標を5%上乗せした。ブレードシステム、データセンター、ITコンソリデーションを軸に、グリーンITへの取り組みを進めている。
日本HPは2月18日、環境に配慮したIT機器の利用や消費電力の削減を目指すグリーンITへの取り組みを発表した。HP全体で2010年までにエネルギー消費量を2005年より25%減らし、ブレードシステムへの取り組みに一層の力を入れることを明らかにした。
「達成可能な数値として新たにエネルギー消費量の削減目標を5%上乗せした」――エンタープライズストレージ・サーバ事業統括の松本芳武執行役員は、HP全体のエネルギー削減に言及した。社内およびサプライチェーンなどHPの施設と、サーバやストレージなどのIT機器が発するエネルギーの削減を目指し、2007年までに消費エネルギーを2005年度比で19.2%減らした。それを受け、20%だった2010年までの削減目標を25%に増やした。「個々のオフィスなどで削減が進んでいる。2008年にデータセンター関連の削減を終了させる」(松本氏)見通しという。
具体的には、ブレードシステムやデータセンターの電力削減に力を入れる。「ブレードシャーシが最大の省電力マシン」と言うのはテクノロジーソリューション事業統括マーケティング統括本部の高原明彦氏。既にサーバブレード、テープブレード、ストレージブレードを最大16個挿入できるブレードシャーシを発売しているHPは、電源やファンの共有化、直流電源の対応など、省電力、低発熱を実現するブレードシステムを提供する考えだ。
データセンター関連の取り組みとして、世界に85以上あるデータセンターを2008年までに3拠点6カ所に集約し、10億ドル(約1000億円)のコスト削減を目指す。ユーザーには、データセンターの空調をリアルタイムで管理し、空調機の稼働を最適化するサービスなどを提供する。買収したOpswareのIT運用管理を自動化するノウハウなども活用していくという。
日本では、パートナーシップとの協業、インセンティブプログラムを進める。NTTファシリティーズと業務提携し、ブレードサーバの導入や空調環境のコンサルティングサービスを提供する。インセンティブプログラムでは、ブレードサーバ「HP BladeSystem c-Class」の消費電力コントロール機能で削減した電力を二酸化炭素量に換算し、削減量に応じて顧客のサーバ利用料を減額する。実際の削減数値に基づいた減額サービスに「顧客はまだ慣れていない」(松本氏)状況だが、IT予算が大企業のように決まっていない中堅・中小企業で導入が広がると松本氏は言う。
「世界で最も幅広いグリーンITソリューションを持つ企業と自負している。ブレードシステム、データセンターソリューション、ITコンソリデーションを軸にグリーンITに取り組む」(高原氏)
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