情報処理推進機構(IPA)は2月18日、情報系の学部学科・専攻に対して、卒業生の数や就職先、課題の把握などを目的とした調査の結果を発表した。
情報系の人気について、「下がっている」という回答が約40%ずつを占め、「上がっている」の5.3%を大きく上回った。学校別に見ると、国公立では「変わらない」が約50%と半数を占めたが、私立では「下がっている」が50%を超えた。トップクラスの有名大学や大学院では「下がっている」と回答した割合が最も低かった。
10年前と比べた入学生の質や水準について、全体の約7割が「下がっている」と回答した。「上がっている」と答えたのはわずか1.8%。国公立・私立ともに水準が「下がっている」という回答が多くを占めた。
具体的に変化した水準として、「理数系の学力」が78%と最も多かった。「国語力などを含む基礎学力全般」が53.3%、「学問に対する興味・関心」が50.7%と過半数を超えた。国公立では研究などへの応用力、私立では基礎学力の変化を挙げた機関が目立った。
同調査は2007年10月8日〜10月22日に調査し、113の大学・大学院から回答を得た。内訳は学部が61、大学院が52。国公立大学が79、私立大学が34となった。有名大学・大学院の16校を「トップ校」として扱った。
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