「今すぐSaaSでの提供に切り替え可能」――Autodeskのマーケティング最高責任者(2/2 ページ)
中国やインドなど新興経済市場の成長を背景に、Autodeskは2008年度第3四半期で5億4000万ドル近い売り上げを達成した。その好調を支える戦略をクリス・ブラッドショウCMOに聞いた。
次第にSaaS型の販売にシフト
ITmedia ソフトウェアの販売形態について、「Oracle SaaS Platform」を採用するなどSaaS(サービスとしてのソフトウェア)での販売にも力を入れております。現状でパッケージ販売とそれ以外ではどちらが多いのでしょうか?また今後の見通しは?
クリス いつかはSaaSにシフトしていくと考えていますが、今後3〜5年間はパッケージ型のソフトウェアが引き続き優勢だと思います。わたしたちは明日にでもSaaSでの提供に切り替えが可能なので、ユーザーや市場からニーズの高まりを待っているのが現状です。
一方で、SaaSのみで販売している製品もあります。「Buzzsaw」「Constructware」という建築業界のためのものです。日本のゼネコンではよく知られた製品です。
いずれにせよ、状況次第だと考えています。わたしたちが提供する建築構造の分析ツールなどは、非常に高い演算能力や多くの処理が必要になるため、SaaSではなく別のサービスモデルで提供する方が利用者にとってより安いコストで済むわけです。
ITmedia サステナビリティをはじめ、グリーンに対する取り組みに注力しています。最後に、環境対策についてお考えをお聞かせください
クリス Autodeskにとってサステナビリティは非常に重要で、3つのアプローチを持っています。
1つ目はAutodeskが会社としてグリーンになるということです。ペットボトルを減らすとか、ビルを借りる時によりグリーンなビルを選択するとか、社員の出張をできるだけ減らすとか、両面コピーをするとかなど、グリーンになるためにできる限りの努力をしています。
2つ目は、サステナビリティを製品に取り込み、わたしたちの顧客のデザイン自体をよりグリーンにしています。従って、この分野にフォーカスした会社の買収や、この部分に注力した研究開発を実施しています。
3つ目は、産業界、教育界と協力してサステナビリティを推進しています。関連したテレビ番組のスポンサーになったり、会議を開いたり、博物館での展示会を開催したり、学生向けのコンテストを開いたりしています。
こうした活動を通じて、社会に対して大きなインパクトを与えていきたいと考えています。
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