床下ケーブルがダメなら天井を使えばいいじゃない:サーバルーム配線事情(2/2 ページ)
データセンターにおいて、ケーブルの増加による混乱を招かないようにするためには、どうすればよいのか。配線設備メーカーは、そうした対策に役立つ設備資材やツールを考案している。
ソリューションの活用と適切な管理で効率化すべし
配線状態を管理するには、適切なケーブルマネジメントツールの活用が望ましい。専用ツールでは物理的な配線ルートや配線長の管理はもちろん、作業指示書や作業報告書の作成なども行える。
信号検知機能などを備えたインテリジェントなパッチパネルと組み合わせることで、パッチパネルを通じた接続状況のオンライン監視が可能になり、物理構成とデータベースをリアルタイムで完全に一致させることができるツールもある。管理が容易になり、ミスを減らせる上に、リモートでの確実な管理が実現、そして不正接続の監視にも役立つというわけだ。さらに、パッチパネルのLEDを点灯させる機能を持ち、作業者へのリモート指示も可能な製品もあるので、作業のさらなる効率化、そしてミスの防止に効果が期待できる。
すなわち、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせた「ケーブリングソリューション」が提供されるようになってきたのである。
こうしたソリューションをさらに効果的に活用するためには、ケーブルの種別によって配線を分離するという手法がある。現在のデータセンターで使われるケーブルは、大きく分類すれば光ファイバ、UTPケーブル、電源ケーブルの3種類だ。その3種類を3つのレイヤーとして分離し、混ざり合わないように扱うことで、管理の効率性はより向上する。例えば、光ファイバとUTPケーブルをラック上配線とし、電源は床下配線のまま使う、といった組み合わせも考えられるだろう。配線の経路を分散することで、経路上に集積される配線数を削減できるから、「ケーブルが絡まって抜けない」といった問題も減らせるというわけだ。
こういった管理手法は、ポリシーとしてデータセンターやユーザーがきちんと確立しておくべきものである。次回は、そのポリシーの重要性について紹介しよう。
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