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「冷却」から考えるグリーンIT目指せ電力消費削減(2/2 ページ)

サーバコンピュータをはじめとするハードウェアの進化は、性能の向上の一方、今日のデータセンターに多くの課題をもたらした。中でも深刻なのが発熱を抑える「冷却」に関する課題だ。

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ラックそのものを水冷

 APCの冷却システムと同様に、局所的に冷やすことで冷却効率を向上させるソリューションがいくつかある。例えばHPは、IT機器を格納するラックを冷却する水冷式システム「HP モジュラークーリング システム」を提供している。このシステムは、1台の水冷ユニットで最大2台の42Uラックが冷却できるというもの。ラックの上部などに排熱が停留することのないように冷気を水平方向から均等に放出する仕組みになっているほか、水冷ユニットとラックが完全に独立しているため、液漏れのおそれもないという。

 また、ISO標準の20フィート輸送用コンテナにデータセンター機能を組み込んだことで話題となったサンの仮想化データセンター「Sun Midular Datacenter S20」(開発コード名:Project Blackbox)も水冷方式を採用している。内部に冷却用ラジエータ、エアフィルタなどを装備してIT機器の排気はすべて水冷で冷却する仕組みだ。

 このほか、日本IBMと三洋電機は、ラックの背面ドアを冷却用熱交換機として使用する局所冷却システム「IBM Refrigeration Rear Door Heat eXchanger」を共同開発した。これは、ラック背面ドアに直接熱交換機を取り付けるというIBMの特許技術と、三洋電機が開発した「enegreen冷媒式マルチサーバークーラー」を組み合わせたものだ。このクーラーは、三洋電機の従来の室内全体を冷却するシステムと比較して約50%の消費電力削減を実現しており、日本IBMによるとデータセンター全体で25%以上の消費電力削減が見込めるという。

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