楽天は5月8日、インターネットショッピングモール「楽天市場」に出店する企業の物流を代行するサービスを開始した。電子商取引など少量で他品種の製品を扱う中小企業や、在庫の保管場所や運送のノウハウを持たない個人事業種向けに売り込む。
同サービスの名称は「楽天物流サービス」。楽天の専門スタッフが出店企業のニーズを聞き、店舗に応じた物流サービスを設計する。製品の入荷、検品、保管、梱包、配送までを一括して受け持つ。サービス利用者には、在庫状況の更新が容易になり、売れ筋製品の把握や失注の防止ができる「出荷処理・在庫管理支援システム」を提供する。
サービスの開始に伴い、静岡県内の物流センターを稼働させた。今後は北海道、東北、関東、関西、九州にセンターを設置し、物流のネットワークを整備していく。製品の受け取りまでの時間が短縮できるほか、複数の店舗への注文をまとめて配送することで、配送コストも抑えられるという。
価格は個別見積もり。同社事業統括部の平野雅史氏は「初期費用などは不要。既存の物流システムを使う場合に比べ運用コストを数%減らせる」と話している。
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