健康診断直前の心得
胃カメラなどの検査がある場合は、事前に飲食の制限があることがほとんどです。注意事項をきちんと確認しましょう。また、食べものの制限はあっても、水分摂取の制限がないこともあります。いくら固形物が食べられないからといって、砂糖をたっぷり入れたコーヒーや甘いジュースなどは血糖値を上げるので、控えめにしておいたほうが無難です。
特にそういった制約がない簡単な健康診断でも、血液検査や尿検査では、前日や当日の食事、飲みものが大きく影響します。暴飲暴食、逆に絶食なども避けたいものです。薬やサプリメントについても同様です。いつもと同じように服用し、継続的に飲んでいるものがあるならば、医師に伝えておきましょう。さらに、睡眠不足にも注意すること。寝不足のまま臨むと、交感神経が緊張して、血圧が上昇する可能性があります。
結果が出てからが大事
検査結果に「要再検査」「経過観察」などの文字を発見しても「自覚症状がないから」とほったらかしにする人もいるようです。ですが、癌の初期にはほとんど自覚症状がないといわれており、自己診断は禁物。きちんと再検査を受けることが早期発見につながります。
幸いにして「オール異常なし」だった場合でも、さらに内容を細かく読み込みましょう。同じ「異常なし」でも、上限ギリギリか、余裕をもって安全圏内かでは、かなりの差があるからです。ギリギリだった項目については以後注意した方がよいでしょう。
読み終えた検査結果は毎年捨てずに保管しておき、過去の数値と見比べてみることも大事です。例えば、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が120だったとします。たしかに基準値内ではありますが(120以下が正常)、昨年100だったのか、125だったのかで、意味合いは大きく変わってきます。数値が極端に変動している項目については「体の中で何かが起こっているのかも?」と考え、様子を見たほうがよいでしょう。
当たり前の話ですが、一番大事なのは健康な体です。健康診断はそれを客観的に判断できる、年に一度の貴重な機会。億劫がらずに、大いに活用することをお勧めします。
著者プロフィール:吉岡享子
料理系雑誌の編集者。食や栄養に関するテーマを中心に記事を書いている。趣味は料理だが、実はかなりの偏食傾向あり。「紺屋の白袴」とはまさにこのことか。
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