8. CIOにはアーキテクチャスキルが必要
上位の役職であるのに加え、アウトソーシング会社に奪われる可能性が皆無なことから、カーベン氏はITアーキテクチャ関連のポジションを理想的な中継キャリアとして薦めている。
「現在では、海外に業務委託した方が効率的な業務とそうでない業務が、はっきりと線引きされている。複雑なソフトウェアやソリューションを実際に設計するアーキテクチャの仕事は、経営サイドと開発チームの密な連絡が欠かせないため、企業が自ら手掛けるべきものだ。アーキテクトを増員したいと考えている企業は多い。ITアーキテクトは技術的な見地から指揮を執る役職でもあるので、当然給与も高くなる」(カーベン氏)
9. プロジェクト管理資格を持っていると有利
すべての資格に紙切れ以上の価値があるわけではないことは、多くの調査からも実証済みだ。それでも企業には、あいかわらず肩書きを持つ人に高給を支払う傾向が残っている。カーベン氏は、PMPとPMOを2大プロジェクト管理資格と呼ぶ。
「これらの資格は、取得するのに時間と金がたっぷりかかるが、企業社員にとっては修士号と同等の価値を持つものだ。所持していれば、初任給が最大で2割増しになる可能性すらある。サーベンスオクスリー法に厳しく規制され、企業同士の合併や海外チームの統括に伴う無数の仕事をさばかねばならない昨今、PMPおよびPMO資格を有しているITプロフェッショナルに対する企業の需要は衰えを見せない」(カーベン氏)
10. 引っ越しをする
家財をまとめ、家族とともに引っ越しをすれば給料を20%アップさせられるといったら、誰もが「そんなばかな」と思うだろう。だが、自分の専門分野でさらに上へ行けるかどうかは、実は居場所に掛かっているかもしれない。
ITスタッフ派遣会社のSapphire Technologiesは先週、技術系職種の募集状況には、米国の各地域によって明確な差があることを示すデータを公開した。例えば、テキサス州オースティンでは、募集が掛かっている仕事の半分以上(58.62%)がソフトウェア開発関係だった。Sapphireの人材スカウトも、同市の人口動態を詳細に調べるまでは、そこまでの違いがあるとは考えていなかったという。
同社のリクルートマネジャー、マイク・ジグリオ氏は、「オースティンには多数の新興企業がある。彼らが探しているのは、ソフトウェアを開発できる人材であって、IT系の管理職ではない」と、eWEEKに話している。
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