「URLではなくアンサーを返す」――MSが追究する次世代の検索:人の知識を共有
マイクロソフトがQ&Aサービス「MSN相談箱」を刷新した。「人の知識」に着目した次世代の検索サービスを提供するという。
「URLではなくアンサー(答え)を返す検索サービスを目指す」――マイクロソフトは6月4日、刷新したQ&Aサービス「MSN相談箱」を公開した。オウケイウェイヴのQ&Aサイト「OKWave」との連携を深め、人の知識を基にした情報の検索機能を強化した。
MSN相談箱は、OKWaveと連携したQ&Aサービス。キーワード検索では探しきれない疑問や相談を投稿したり、ほかのユーザーの質問に回答したりできる。これまでに蓄積された1500万件以上の質問や回答の閲覧も可能だ。
刷新したMSN相談箱では、検索回数の多いキーワードのランキング表示や、スタッフお勧めQ&Aの表示など、検索とQ&Aの連携を強化した。Windows Live MessengerからMSN相談箱を検索することもできる。
「人の知」に次世代検索の活路を見いだすMS
「例えば赤坂の和食屋を調べると、このページで探してくださいという検索結果が出るだけ」(プロダクトマネジメントグループの浅川秀治シニアディレクター)。従来のキーワード検索では、ユーザーが真に必要とする情報を得られないことも少なくない。
キーワード検索を超える次世代の検索として、マイクロソフトはQ&Aを介した「人の知識の共有」に焦点を当てる。「Web検索の情報には限りがあるが、人の知識は無尽蔵」(浅川氏)であり、Q&Aではユーザーが知りたい内容を人の知識ベースで的確に得られるからだ。
オウケイウェイヴの兼元謙任社長は「あいまいなもの、ニッチなもの、きざし、気づきなどを調べるにはQ&Aが優れている」と胸を張る。例えば「昨日テレビで聞いたCMソング、数人しか知らない学術データ、有名になる前の情報、結婚して奥さんを大事にするにはどうすればいいか」といった情報もQ&A形式だと簡単に得られる。
「地図や画像を探すバーティカル(垂直型)な検索も重要だが、今後は人の知識を横串に指したような知の検索が求められる」とオンラインサービス事業部の笹本裕事業部長は言う。マイクロソフトは今後、検索エンジンと人の知識検索の融合を強化し、「ライバルが着手していない検索にアプローチする」かまえだ。
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