NGNを使った行政サービスが中小企業の業務を効率化:中小企業を変革するNGN(2/3 ページ)
中小企業がIT活用して生産性を高めるためのキーワードとしてNGNが挙げられている。NGNを活用する利点や課題を技術的な視点から考える。
行政サービスと中小企業を結ぶNGNの役割
これらを解決する一助を担うのがNGN(Next Generation Network)だ。NGNとはNTTなどが目指す次世代ネットワークであり、IP技術により電話や専用線などの既存サービスを統合し、ネットワークの単純化や運用の簡素化を実現しようとするものだ。固定電話と専用線の高品質と高信頼のネットワークと、IPネットワークの多様性や柔軟性などの既存のネットワークの「いいとこ取り」をするのがNGNの狙いだ。
では、ユーザーにとってどんな利点があるのか。NTTはNGNの特徴として以下の4つを挙げている。
- 1.品質確保(QOS)
- 2.高セキュリティ
- 3.信頼性確保
- 4.オープンなインタフェース
セキュリティについてだが、NGNは、回線認証といわれる回線ごとに割り当てられた電話番号やIPアドレスの発信者IDをチェックし、どの回線からの通信かを特定することができる。不正アクセスの防止機能や異常なトラフィックをブロックすることも可能だ。IDやパスワードなどの複数の認証を組み合わせれば、中小企業が比較的安価にインターネットよりも高セキュリティな回線を確保できる。
NGNでは、新たなアプリケーションやサービスを事業者がさまざまな機能を活用できるオープンなインタフェース(SNI:application Server-Network Interface)を用意している。SNIにつながるサービス提供基盤となるSDP(Service Delivery Platform)上の共同利用型電子申請APなどの行政サービスに安全にアクセスすることも可能になる。
SDPはシステムとして認証や課金などに必要なユーザー情報管理機能があるため、中小企業は行政サービスへの申請、認証、課金、決済、請求までの一連の処理を実施することも技術的には可能である。高セキュリティで高品質な環境下でテレビ会議も利用できるため、申請に関する書類を相手に見せながら、あたかも窓口に来ているかのように自治体側の担当者と相談をすることもできる。
NGNが近い将来、中小企業と行政サービスを結ぶための重要な役割を担っていく可能性はある。
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