富士通、NGN対応の高速映像配信サービスを開始:松竹グループで採用
富士通は大容量の映像データを高速で配信するサービスの提供を始めた。パケットロスが少なく、エンドユーザーに最も近いルートを自動で選び、鮮明な映像配信を実現する。
富士通は6月19日、大容量の映像データを高速で配信する「FENICS IPビデオ配信サービス」および「FENICS Web高速配信サービス」を発売した。NGN(次世代ネットワーク)の本格展開で求められる映像や音声データの効率的な配信と運用管理へのニーズに対応する。
FENICS IPビデオ配信サービスは、映画やテレビ番組などの大容量の映像をインターネット環境で高速に配信するもの。映像圧縮方式「H.264」に富士通の独自技術を加えたことで、鮮明な映像配信ができるようになった。著作権保護技術を採用したデータ保護機能も実装している。SaaS(サービスとしてのソフトウェア)として提供するため、映像配信事業者は、映像データの圧縮や登録、配信設備が不要となる。松竹グループの映像配信サイト「松竹ONLINE」で活用されている。
FENICS Web高速配信サービスは、大容量の映像や音声データなどを効率的に配信するもの。アカマイの企業向け業務アプリケーション高速配信サービスを採用したことで、エンドユーザーから最も近いルートを選択し、パケットロスの少ないネットワークを通じて映像を配信できる。高解像度画像、音声、Flashなどのリッチコンテンツの配信も可能だ。
価格は、FENICS IPビデオ配信サービスが月額20万円から。FENICS Web高速配信サービスが月額60万円からとなる。コンテンツの登録、保存、配信の費用は、容量に応じて従量課金する。
2011年度末までに30億円の売り上げを目指す。今後は、映像シーンや監視映像の長期保存、デジタルサイネージ(電子看板)の構築、運用といった映像関連のサービスを順次提供する。
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