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NGNが新ビジネスを作り出すプレミアム会員から仮想空間まで(3/3 ページ)

NGNの商用サービスが今年3月31日に始まって3カ月以上が経つ。提供エリアは、現時点で東京都の一部と少ないが、新サービスの可能性は多い。

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中小企業のフロンティア精神が鍵

 NGNの進展により、これまでのIT業界のビジネスモデルの構造が大きく変化するといわれている。日本のIT産業は(世界から孤立する)「ガラパゴス化している」と揶揄され、Googleをはじめ海外の事業者が世界市場をリードする形となり、日本のIT分野の国際競争力の低下が指摘されている。

 NGNの場合は、ITU-Tの国際標準に準拠するリリース1を発表しており、リリース2(IPTV、モビリティの拡大)、リリース3(N-ID、ユビキタスネットワーク、センサー・ネットワーク)などへと展開していく予定だ。NGNの標準化の流れで日本においても開発が進めば、NGNを活用した日本発のサービスが生まれ、これまでのインターネットとは異なるプレーヤーが形成され、日本が世界の市場をリードするということも十分に考えられる。

ビジネスモデル構造の変化

 これまで日本の通信事業においては、固定電話事業者、携帯電話事業者、データセンター事業者、インターネットプロバイダーなどサービスネットワーク種類ごとに事業者がインフラからサービスまでを統合して提供する垂直統合型が一般的であった。NGNにおいては、IPベースの共通インフラと共通基盤が提供されることになり、すべてのサービスが必要に応じてシームレスに利用できる水平統合型のモデルへと進展する。

大手企業の技術と中小企業のフロンティア精神の融合

 NGNの普及に伴い、大手企業がメインとなってSDPを構築する。中小企業にとってもAPI連携によりアプリケーション開発が容易になり、サービス提供側としての参入が比較的容易になる。さらに、水平統合型のビジネスモデル構造の変化により、サービスの適用範囲も広くなる。つまり中小企業はアプリケーションを開発すれば、課金や認証まで含めたサービスをPCから携帯電話などさまざまな端末に提供することができる。

 異業種も含めた企業間の競争は厳しくなり、淘汰されてしまうということも考えられる。だが、大手企業の技術と中小企業のフロンティア精神が融合することによって、新たなイノベーションが生まれることにも期待が集まっている。

 中小企業のサービス提供者側の視点でビジネスチャンスについて詳しく述べてきた。次回は、中小企業において日常のワークスタイルの変革について詳しく述べていきたい。

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著者プロフィール:林雅之 

ICTコンサルタント 中央省庁へのICTコンサルティング、情報通信政策や技術の調査・分析、プロトタイプ開発等に従事。部内のプロジェクト管理やナレッジマネジメント推進等の総括も兼務している。


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