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スマートフォン「BlackBerry」体験記iPhoneに続くか(2/2 ページ)

欧米ではメジャーなスマートフォンとして知られる「BlackBerry」。国内と米国での使い勝手やコミュニケーションツールとしての可能性を検証した。

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国内と海外での使い勝手は

 8707hを持ち歩くと、国内にいれば常にFOMA網へ接続しているが、海外では場所によってGSM網かデータ通信速度がより高速のGPRS網に接続する。今回の場合、米国内では常にAT&T WirelessのGPRS網に接続した。

 インターネットや電子メールなどでデータ通信を利用する場合、8707hの通信速度はW-CDMA網で384kbps、GPRS網では115kbps(ともに理論値)となる。結論から言えば、データ通信における体感速度に大きな違いは感じられなかった。

 インターネットサービスでは、RIMがBlackBerry用のモバイルポータルサイトを開設しており、同サイトからCNNやUSA Todayといったメディア各社のニュースサイトやエンタテインメントサイトにアクセスできる。各社はBlackBerry向けのモバイルサイトを開設しており、8707hの画面上では支障なく閲覧できる。なお、PCサイトの閲覧には最適化されていないようで、試しにITmediaエンタープライズにアクセスしたところ、テキストだけが表示された。


「ITmedia」のPCサイトを閲覧してみたが、残念ながらテキスト文字以外はほとんど表示できなかった

 電子メールは、国内の携帯電話と同様にサーバから端末へ自動的に配信される仕組みだ。日本の携帯電話ユーザーにとっては当たり前とも言える機能だが、米国では数年前までショートメッセージサービス(SMS)以外に自動配信の仕組みが普及しておらず、BlackBerry人気に火を付けた機能だといわれる。

 新着メールや返信、転送などができ、操作方法は先に紹介したトラックホイールとメニュー画面で操作する。WordやExcel、PowerPoint、PDFといったドキュメントファイルを添付でき、メール画面からドキュメントを開いて内容を閲覧することができる。

 今回の検証で筆者が特に便利だと感じた機能が、インスタントメッセンジャー(IM)だ。BlackBerryでは標準サービスとして用意されているアプリケーションで、他のユーザーからメッセージが届くと自動的にメッセンジャーソフトが立ち上がる。メッセージ入力はQWERTYキーボードの操作に慣れてしまえば、一般的な携帯電話に採用されている10キーよりも素早く文字を入力できる。短いメッセージだけの電子メールを何度もやり取りするよりも、IMを利用すれば快適に相手とコミュニケーションができるようになるだろう。

 8707hには、「BlackBerry Desktop Manager」と呼ばれるPCでBlackberry端末を管理できるツールが同梱されている。USBケーブルで端末とPCを接続すると、自動的にデータを同期する。同期するデータは、PIMや電子メール、スケジュール、アドレス帳、画像、音楽、アプリケーションデータなどである。

 同ソフトでは、アプリケーションの追加・削除、Windows MobileやPalm端末からのBlackBerryへのPIMデータの移行、暗号化強度の変更といったセキュリティ設定、電子メールの振り分け設定、端末データのバックアップ・リカバリといったこともできるようになっている。ユーザー設定をカスタマイズする場合は、同ツールを使用すると容易に行える。


BlackBerry Desktop Managerの画面

 RIMは、BlackBerry以前にポケットベル(米国ではページャー)を開発してきた歴史があり、BlackBerryはコミュニケーションに特化したモバイルツールとして進化を続けてきたという。特に電子メールやメッセンジャー機能は、入力操作やレスポンスも含めて一般的な携帯電話以上の性能を持っていると感じた。

 今年5月に開催された同社のプライベートカンファレンスでは、IBMやSAPといった大手ベンダーがモバイル向けのビジネスアプリケーションを展開すると表明し、今後はコミュニケーションツールとしてだけでなく、ビジネスツールとして活用されることが期待できる。

 国内ではWindows MobileやAppleのiPhoneが登場し、スマートフォン市場が活況を呈し始めた。NTTドコモの個人向けサービスをきっかけにBlackBerryも国内スマートフォン市場の動向を左右する存在となるかもしれない。

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