Web 2.0の主導権はマーケティングからITへ:Forresterによると(2/2 ページ)
企業のブログやウィキ、ソーシャル・ネットワークは、一般にIT部門によって管理されていると思われがちだが、実は支配権は移りつつあるらしい。
Forresterのアナリスト、G・オリバー・ヤング氏によると、当初、Web 2.0の導入をリードしていたのはマーケティング部門やコーポレート・コミュニケーション・スタッフで、IT部門はせいぜいつきあい程度のかかわりしか持たなかったという。
「そうしたダイナミクスは急速に変化している。われわれが実施した最新のWeb 2.0調査を見ても、Web 2.0技術の選定や導入において、IT部門がより積極的な役割を果たしつつある。予算管理や統合化、技術スキルへのニーズ、Web 2.0の重要性が高まるとともに、ドライバーズシートにはIT部門が座らなければならなくなった。技術製品マネジャーやマーケティング担当者は、IT部門との情報交換もちろんのこと、今後は全面的な関与を求める必要があるだろう。そうした関係を構築できれば、取引の効率化や販売サイクルの短縮が可能になり、Web 2.0技術の展開がいっそう容易になるはずだ」
なるほど。これでわれわれは枕を高くして眠れるというものだ。技術的バックグラウンドを持たない人々が、技術導入やバグフィックスでわれわれの周りを徘徊する心配もなくなるに違いない。
ITプロフェショナル262人を調査したヤング氏は、リポートの中でさらにこう述べている。「Web 2.0ツールに習熟し、社内標準として確立されるようになると、ITショップはWe 2.0の導入においても急速にリーダーシップを発揮するようになる」
重要な点は、「そうしたIT部門が、従業員の持ち込んだコンシューマーレベルのツールを禁止し、フォーマルなエンタープライズ製品にリプレースするイタチごっこを終わらせることだ」とヤング氏は語る。
逆に言えば、ソーシャル・ネットワークやほかの主要なコミュニティーに対して厳格なルールを適用しない限り、その良し悪しは別にして、オフィス内にFacebookは残り続けるというわけだ。
では、なぜ多くのIT部門はWeb 2.0ツールを積極的に利用しようとしないのか? ブログ、ウィキ、RSSフィードなどは非技術系の人々にとって非常にユーザーフレンドリーな技術ではある。だが結局、それらはWebベースのツールであるがゆえに、さまざまな不正行為に対してオープンであることがネックになっているのだ。
しかしそうであるなら、それらのツールはIT部門が責任を持って入念にチェックすべきだろう。彼らは悪意の攻撃が実行されるケースを熟知しているはずだ。テクノロジーに関して言えば、IT部門こそがゴールキーパーになるべきであり、防衛の最前線に立たなければならないのである。
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