「Generation 3」に到達したブレードサーバ:グリーン&仮想化を支える(2/2 ページ)
仮想化、グリーンITといったトレンドのもと、俄然ホットなブレードサーバ。市場も拡大傾向だ。第3世代とされる各社最新のラインアップに至った経緯は――。
市場拡大の一途をたどるブレードサーバ
さらに、さまざまな分野における技術革新がブレードサーバ市場の成長を後押しすることになる。プロセッサのマルチコア化・省電力化、InfiniBandをはじめとする高速I/Oの登場、IP SANなどのストレージオプションの多様化は、ブレードサーバにとって非常に重要だった。
地球温暖化対策に社会的な関心が高まり、「グリーンIT」という新しいキーワードに注目が集まってきたことも、システム全体で省電力化を実現するブレードサーバにとって追い風になっている。
そして、忘れてはならないのが、仮想化技術の進展である。ブレードサーバは、サーバを物理集約するのはもちろん、仮想化にとっても最適なプラットフォームだ。サーバ集約の際に重要な役割を果たす管理ツールも、各サーバベンダーは時間をかけて進化させ、仮想環境と物理環境をシームレスに管理できる仕組みも実用段階になっている。
これにより、ブレードサーバの将来は非常に明るいと予想されている。米国の調査会社Gartnerによる2008年7月末の調査資料によると、ブレードサーバは現在、サーバ市場セグメントの中で最も急速に成長している分野だという。ガードナーの予測では、2007年から2012年までの間、年平均で19%も成長すると見られており、これにより2007年に10%だったサーバ市場全体におけるブレードサーバの占有率は、2012年には20%になる見通しだ。
では、進化が著しい最新のブレードサーバは、どのような新しいテクノロジーが詰め込まれているのだろうか。また、サーバベンダー各社は、どのような戦略、方針に基づいてブレードサーバの開発に取り組んでいるのだろうか。連載第2回目以降は、ブレードサーバを構成するさまざまなパーツ、とりわけサーバベンダーが力を注ぐ、ブレードのデザイン、エアフローと冷却、電源管理をはじめとする省電力機能、管理性を高める各種機能など、さまざまな視点から現行のブレードサーバを徹底的に分析する。
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