電子看板から香りを放出 NTT Comがデジタルサイネージサービスを開始:デジタルサイネージ最前線
専用の電子看板から香りを発生させ、販売促進や広告効果を高めるサービスをNTTコミュニケーションズが開始した。実証実験では、商品の売り上げ増や認知度の拡大といった効果が上がっているという。
NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は8月26日、デジタルサイネージ(電子看板)から香りを発生させて、販売促進や広告宣伝などができるサービスの提供を開始した。
同サービスの名称は「Spot Media with 香り通信 〜香るサイネージ〜」という。これは、デジタルサイネージ端末に登録している映像や音声のコンテンツを再生すると、それらに応じた香りを発生装置から発生させられるもの。コンテンツは、NTT Comのデータセンターに設置したサーバから各拠点の端末に配信する。
デジタルサイネージと香りを組み合わせた端末を使うことで、スーパーやショッピングセンターの売り場や商品棚で、商品の購買を促せるようになる。交通機関や公共施設など人通りの多い所で広告を配信することで、企業や商品の認知度を上げることも可能となる。
同サービスは、ブロードバンド回線を使って、全国に点在する電子端末に映像や音声などのコンテンツを配信する「Spot Media」と、PC操作で専用の端末から香りを発生できるサービス「香り通信」を連動させている。
同サービスの実証実験も重ねられている。売店内でバニラの香りを発生させた場合、ソフトクリームの売り上げ数が約1.3倍向上したほか、駅でバラの香りを放出した場合、化粧品ブランドの認知率が約2倍になったという。
価格は、香りを発生させる装置と専用の連携ソフトを含み、初期価格は15万7500円から。
関連記事
- デジタルサイネージ最前線:八重洲に巨大電子看板が出現 動画と香りで道行く人を顧客に
東京駅の八重洲地下街の一角に巨大な電子看板が設置された。飲食店の動画を映し出すディスプレイに近づくとさわやかな香りが漂う。リクルートが実施しているデジタルサイネージの実証実験の一幕だ。 - A3サイズの電子ペーパー使用:毎日新聞の1面や北京五輪の速報を表示 新宿と新橋に電子看板
新宿3丁目と新橋で電子ペーパーを使ったデジタルサイネージ(電子看板)の実証実験が始まった。毎日新聞社のニュースや北京五輪の速報を配信していく。 - デジタルサイネージ最前線:お台場冒険王の人気アトラクションに見る電子看板ビジネスの真骨頂
目玉おやじがあなたの性別と年代を判定します――。こんな催し物がお台場で人気を集めている。一見何の変哲もないアトラクションだが、その裏には広告の見せ方と販売促進の新たな手法が隠れていた。 - <オルタナティブ・ブログ>自宅のテレビがデジタルサイネージになる!?(『ビジネス2.0』の視点)
- <オルタナティブ・ブログ>米国TV広告の資金がデジタルサイネージに流れる(シリアルイノベーション)
- 富士通が製品を提供:みずほ銀行、おサイフケータイ対応の大型タッチパネルを試験稼働
50インチの大型タッチパネルディスプレイがみずほ銀行の2店舗で稼働を開始した。おサイフケータイをかざすと銀行のイベント情報などを入手できる。 - オルタナブログ通信:あなたのブログは何歳? 「ブログ通信簿」に見るブログブームの現在
160組を超えるオルタナティブ・ブロガー(オルタナブロガー)によって、ITにまつわる時事ネタなどが日々発信されているITmediaのビジネス・ブログメディア「オルタナティブ・ブログ」。今週はその中から、ブログ通信簿、地上デジタル、ケータイ関連のエントリーなどを紹介しよう。 - 待ち時間を有効活用:コンタクトのアイシティ、おサイフケータイ向け情報配信システムを採用
店頭広告に組み込んだ小型端末におサイフケータイをかざすと、店の情報を携帯電話に表示する。混雑時の待ち時間に使ってもらい、ネット会員の登録を促す。 - 携帯でパンフ請求:駿台予備校、入試情報を配信するデジタルサイネージを試験運用
NTTレゾナントは、大学の紹介映像や学部などの大学情報などを配信する電子看板を駿台予備校で試験運用する。 - 11月に出荷予定:ポスターを即座に電子看板化 ソフィアモバイルが専用端末
ポスターが挿入できる透明の枠に、超小型ICモジュールを内蔵したnaniポ!を取り付けて提供する。紙のポスターを電子看板として使うことができる。 - NECがフジテレビに導入:お台場で顔認識技術を用いた広告配信システムが稼働
NECは、目や口の配置などから性別や年齢層の属性を判断し、それに見合った広告を配信するシステムをフジテレビに導入した。 - プレミアム会員から仮想空間まで:NGNが新ビジネスを作り出す
NGNの商用サービスが今年3月31日に始まって3カ月以上が経つ。提供エリアは、現時点で東京都の一部と少ないが、新サービスの可能性は多い。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.