Amazonとの協業でクラウド対応を進めるOracle:Oracle OpenWorld San Francisco 2008 Report(2/2 ページ)
「Oracle OpenWorld San Francisco 2008」の初日を締めくくるジェネラルセッションにデータベース製品を統括するメンデルソン上級副社長が登場し、データベースのアーカイブ手法としてクラウドの活用が広がるとの見通しを示した。
クラウドにバックアップ
もうひとつ、メンデルソン氏は、データベース関連の新たな取り組みを紹介した。Oracle Databaseの「クラウド対応」だ。自らがプレーヤーとしてサービスを展開するのではなく、クラウドサービスのパートナーとして、OracleはAmazon.comを選んだ。メンデルソン氏が最初に紹介したのは、同社が提供している「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)のサポート開始だ。クラウド上のこのストレージサービスは、現状では速度が十分に確保できないので、データベースサーバのストレージとしての利用は難しいが、バックアップ先としは十分に活用できるという。
「現状、テープ装置でバックアップしている顧客はたくさんいる。テープの性能で十分でならば、クラウドでも十分に対応できるはずだ」(メンデルソン氏)
Oracle Databaseのバックアップに、Amazon S3を利用するのは極めて簡単だ。デモでは、Amazonのアカウント設定が済んでいれば、あとは管理ツールでバックアップ先をテープ装置にするのか、Amazon S3にするのかを選択するだけだ。まるでテープにバックアップするのと同じ感覚で、クラウドにバックアップできる。Amazon S3の利用では、経路がインターネット越しとなるので、バックアップの際にはデータは暗号化されるという。
メンデルソン氏は、クラウドへのバックアップについては、既に多くの顧客が関心を持っていると話す。ある大手顧客からは、Amazon S3以外のクラウドサービスも使えないかと相談されており、対応を求められているという。
「データベースのアーカイブ手法として、今後クラウドの活用が大きく広がりを見せるだろう」とメンデルソン氏は指摘する。
また、Amazon.comが提供するサーバのクラウドサービスである、Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)にもOracleは対応する予定だ。これにより、Amazonのサイトにある仮想サーバ上で、Oracle Databaseを動かすことが正式にサポートされる。このサービスは、Oracle Database 11gだけでなく、10gにも対応するという。既にOracle Databaseイメージファイル、AMI(Amazon Machine Image)がOTNからダウンロードできるという。
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