あの手この手で「グリーン」に取り組むOracle OpenWorld:Oracle OpenWorld San Francisco 2008 Report(2/2 ページ)
Oracle OpenWorld San Francisco 2008は、地球環境の保全を打ち出した初のITカンファレンスかもしれない。運営面でさまざまな工夫を凝らしたほか、会期中は「グリーン」会議を併催し、討議も行われている。
大激論──経済か環境か
米国時間の9月23日夕方、Green Roomでは「経済か環境か」をテーマにしたパネルディスカッションも行われた。
サブプライムローン問題に端を達した経済の後退懸念は、米国を確実に覆いつつある。先ごろは、証券大手のLehman Brothers破綻をきっかけに株価が急落したばかりだ。
産業界の代表のBMW、HP、Fiji Waterらに環境保護派がかみつくという構図で、なかなかかみ合わないのが逆に議論を面白くしていた。BMWは、二酸化炭素を吐きながら走る自動車を開発・製造している。しかも、高級車の代名詞でもある。「グリーン」がテーマでは始めから分が悪い。Fiji Waterも、南太平洋のフィジーからミネラルウォーターを運び、セレブのあいだで人気の高級飲料メーカーだ。いくらプラスティックボトルのリサイクル率を高めている、と主張しても、地球の裏側から水を運んでいては、地球環境に優しいはずはない。
BMWでエンジニアリング担当副社長を務めるトム・バロガ氏は、「われわれにとってサステイナビリティ(持続可能性)とは、単にカーボンを減らすだけではなく、安全性の高いクルマを開発したり、部品のリサイクル率を高めることだ」と話すのが精一杯だった。
こうしたグリーンをテーマにしたカンファレンスが会期中を通じて併催されたテクノロジーカンファレンスは、恐らくOracle OpenWorldが初めてかもしれない。米国でも環境保全に対する関心が高まっており、確実に企業経営のリスクとして台頭してきていることを表している。
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