阪急、阪神両百貨店が合併 共通のシステム基盤は正常稼働:小売業界再編とシステム連携
阪急百貨店と阪神百貨店の経営統合により「阪急阪神百貨店」が10月1日に誕生した。両社のシステム基盤の統合はNECが担当し、サーバやストレージの集約、運用管理手法の標準化などを進めた。
小売業を展開するエイチ・ツー・オー リテイリング傘下の阪急百貨店と阪神百貨店が10月1日合併し、阪急阪神百貨店になった。統合にあたり、IT基盤やネットワーク、業務システムの連携を図り、顧客サービスの提供や事業拡大に対応するシステム基盤を構築した。構築を担当したNECは10月1日、新システムが4月に稼働を開始し、正常に稼働していることを発表した。
阪急/阪神百貨店がそれぞれ構築していたシステム基盤を統合し、グループ内で業務運用を横断的に行えるようにした。システム基盤の構築にあたり、サーバ約130台をブレードシステム「SIGMABLADEシリーズ」2台(ブレードサーバ32台)に統合。仮想化技術により、サーバのCPUの使用率は約20%から50%以上に向上し、システム全体の稼働効率は2.5倍になった。ストレージも統合し、HDDの容量を約55%削減している。
システムごとに異なっていた運用管理の手法やサービスレベルを標準化し、運用管理の効率化も図った。グループ会社間でIPアドレスの重複や通信変換などの制約をなくし、WANを集約するなど、ネットワーク基盤の整備を進めた。サーバをはじめとしたハードウェアをNECのデータセンターで管理し、災害時の復旧時間を10分の1に短縮するなど、事業継続性も強化した。
システムの構築には、コンサルティングからシステムの再構築、運用までを提供するNECの「プラットフォーム最適化ソリューション」およびネットワーク統合サービス「ネットワーク最適化ソリューション」を活用した。
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