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Google vs. Microsoft――クラウドコンピューティングの将来をめぐる戦い勝者なき戦い(2/2 ページ)

GoogleとMicrosoftはそれぞれ、コンシューマーと企業に対して互いに大きく異なるビジネスモデルを開発したが、両社は世界のクラウドコンピューティングインフラが今後10年間でどのように発展するかをめぐって衝突しようとしている。クラウドの覇権をめぐる両社の戦いの行方は不透明だ。

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勝者なき戦い

 Googleの場合はMicrosoftと正反対だ。検索分野の巨人Googleのアプリケーション製品は、ユーザー企業の外部のサーバに置かれている。その一方で、Webブラウザ内で開発・配備されるアプリケーションがますます増えており、これはGoogleが今年、「Chrome」ブラウザを発表した動機の1つであったと推察される。

 「Chromeを発表したのは、クラウド分野での開発を促進すること、JavaScriptの動作を高速化すること、オフラインのサポートを改善するためだ。そのほかに理解しにくい理由も幾つかあるが、彼らは広告をコントロールする必要があるのだ」とスミス氏は指摘する。

 Gartnerのフェローであるトム・オースティン氏によると、Googleではクラウド用に独自のプラットフォームを開発しているという。その1つが、GoogleのWebサーバ上でアプリケーションの開発とホスティングを可能にする「Google App Engine」である。またGoogleは、特にクラウド内でこれらのアプリケーションの企業に対する魅力を高める技術の開発でIBMの協力を求めている。

 Gartnerによると、クラウドに向かって前進するGoogleとMicrosoftをけん引しているのは5つの技術だという。SaaS(サービスとしてのソフトウェア)、オープンソース、Web 2.0、コンシューマ化、そしてコンピューティングサービスを提供する新たな手法とされる「グローバルクラス」である。

 一部の業界観測筋にとっては不満が残りそうだが、Gartnerによると、MicrosoftとGoogleの戦いには明確な勝者がないかもしれない。GoogleとMicrosoftはそれぞれの強みを生かして、この新分野を両社の間で分割支配するかもしれないという。その一方で、クラウドの開拓に向けて第3の企業がカギを握る可能性もある。スミス氏とオースティン氏はカンファレンスで、「今後の展開を判断する上で、Yahoo!が依然として大きな要因として残っている」と指摘した。スミス氏は、MicrosoftがYahoo!を買収する可能性もまだあると考えている。

 ITマネジャーへのアドバイスとして、スミス氏とオースティン氏は、Webベースのアプリケーションがまだ開発中の今の段階で、これらのアプリケーションの評価とテストを開始すべきだと述べた。

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