NEC、業務管理ツールをSaaSで 在宅勤務や支店間でも情報共有
個人の業務を自動的に公開し、管理者やメンバーが作業状況をリアルタイムに把握できる管理ツールをNECが発売する。会社をまたいだ情報共有も可能で、在宅勤務にも活用できる。
NECは10月21日、従業員の業務を可視化し、部門やプロジェクトごとに共有・活用できる業務管理ツールを発売した。SaaS(サービスとしてのソフトウェア)形式で提供する。
同ツールの名称は「タスクバ」という。個人の業務を自動的に公開し、作業のいきさつや課題などを、管理者やメンバーがリアルタイムに把握できる。業務の進ちょくを誰もが確認できるため、1つの業務の優先順位を判断しやすくなる。問題把握にも寄与し、後戻り作業も減らせる。
業務の情報は、過去の作業手順や資料などと関連づけて蓄積する。作業に伴うキーワードを入力すると、関連する業務を検索できる。作業手順をひな形として、新たな業務プロセスを作成することも可能だ。
複数人が業務を並行して進める商品開発や顧客対応では、メンバーの作業負荷や進ちょくの把握が難しくなる。タスクバでは、複数の作業者による業務を具体的に洗い出すNEC独自の「探索型業務管理技術」を採用。課題を早期に発見し、問題を未然に防ぐ。
同ツールの活用により、複数の会社や支店をまたがる情報共有ができる。在宅勤務者もツールを活用して共同プロジェクトに参加できる。ソフトウェア開発の上流工程など、業務を同時並行で進める場合の情報共有にも適している。
2007年10月に提供を開始したSaaS型SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)「Social Tool Mart」のメニューとして販売する。SNSを活用した業務管理が実現するとしている。
50ID当たり月額6万8000円から。別途初期費用が掛かる。2010年までに100社への導入を目指す。
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