パシフィコ横浜、展示ホールの警備にセグウェイを採用:臨港パークで実証実験も開始
パシフィコ横浜は、政府会議などが多く開催される展示ホールの警備用途に、立ち乗り自動二輪車のセグウェイの採用を決定した。「目立つ」乗り物による警備で、犯罪の抑止効果を狙う。
横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜)は11月20日、展示ホールの警備用途として立ち乗り電動二輪車「Segway PT i2(セグウェイ)」を採用すると発表した。また11月27日に日本SGIと共同で、横浜市の指定管理者としてパシフィコ横浜が管理運営する「臨港パーク」において、セグウェイの導入実証実験を開始した。実験期間は2カ月間で、運行状況を毎日記録することで運用データを蓄積し、警備や巡視における有効性と課題、公共スペースでの使用による周囲への影響などを検証する。
セグウェイは、身体の重心を傾けて操作できる電動二輪車。最高時速は時速20キロメートルで、1回の充電で40キロメートル走行できる。充電1回当たりの電気代は10〜20円という。臨港パークでの実証実験で使用するセグウェイは2台で、AED(自動体外式除細動器)、消火器、救急セット、パトロールライトとバッテリーを搭載する。
パシフィコ横浜の展示ホールには年間300万人以上が来場し、政府会議も多く開催する。セキュリティの強化が求められている中、警備員の徒歩や自転車による警備では、人混みの中での警備には限界があったという。パシフィコ横浜の三吉明事業課長はセグウェイ導入の理由を「AEDを持ち運びながら、人混みの中でもスムーズに移動できる。セグウェイは目を引くため、犯罪に対する抑制効果もあると考え、セグウェイが最適だと思った」とコメントした。
日本SGI事業開発本部新規事業開発部の秋元大セグウェイ担当部長は、セグウェイを「コミュニケーションを前提とした乗り物」と位置づける。「セグウェイは目立つため、乗っている警備員には『周りから見られている』という意識が生まれる。自転車などと違い、周囲の人間も声を掛けやすいため、警備員とのコミュニケーションが生まれやすい」という。続けて秋元氏は「手元を見ずに運転できるため周囲をよく見渡せる。警備の用途には最適だ」と自信を見せた。
国内では、中部国際空港のツアーガイドや埼玉県越谷市のショッピングセンター「イオンレイクタウン」での館内警備としてセグウェイが導入されている。パシフィコ横浜への導入は、国内のコンベンション施設としては初となる。横浜市はみなとみらい地区における観光、集客手段としての可能性に期待しているという。
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