ノークリサーチは11月27日、米国金融危機後の日本の中小企業のIT投資動向を調べた結果から、市場展望を明らかにした。
同社は、2008年末から2009年にかけてのIT投資予算額を2008年前半と比較した場合の増減を、天気図で表した。これによると、米国の金融危機に端を発した景気後退の影響を受け、IT投資意欲は2008年8月の30.7から-2.7と急低下した。
年商別と業種別に見た場合でも軒並みマイナスとなった。年商別では大企業と同様の傾向を示しやすい中堅Hクラスで下落が目立つ。業種別では大企業の生産調整による受注減に苦しむ製造業や、為替の影響を受けやすい流通業や卸売業が低迷した。
今回の展望は、08年度秋季の「業種別および投資項目別のIT投資意欲」「IT関連購入先選定に対する意識の変化」についてのアンケートを11月に実施し、800社の回答結果の速報をまとめたもの。調査対象は5億から500億円の企業。同社では中堅・中小企業向け市場を年商5億円以上500億円未満の民間企業と定義。年商クラスによって分類している。中堅Hクラスは年商300億円以上500億円未満、中堅Mクラスは100億円以上300億円未満、中堅Lクラスは年商50億円以上100億円未満、中小企業クラスは年商5億円以上50億円未満の4つに分けている。
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