Googleの勢いは変わらず――08年のSEM業界:モバイル検索、ストリートビュー
2008年の検索エンジンマーケティング業界におけるトピックをアイレップ総合研究所がまとめた。NTTドコモとの提携によるモバイル検索のシェア拡大や街の画像を閲覧できる「ストリートビュー」の提供など、Googleの動きが注目を集める結果となった。
アイレップSEM総合研究所は12月8日、2008年の検索エンジンマーケティング(SEM)業界におけるトピックを発表した。モバイル携帯やGoogleマップのサービス「ストリートビュー」など、Googleの動向が注目を集めた。
2008年1月にNTTドコモと提携したグーグルは、「iMenu検索」サービスの提供を開始し、モバイル検索分野では8割近くのシェアを獲得した。2006年7月にはKDDIと共同で、モバイル検索に本格的に参入している。8月5日には、街の画像をインターネット上で閲覧できるストリートビューを日本でも公開。画期的なサービスとして注目を集める一方で、プライバシーや法律の観点から議論の対象にもなった。
MicrosoftがYahoo!の買収計画を発表してから、Googleを交えた3社間での駆け引きが続いている。Googleは、Yahoo!と検索広告分野における提携と合意の解消を発表するなど、一進一退の動きが目立つ。アイレップSEM総合研究所は「過去3年の検索シェアの推移を見る限り、世界的にはGoogleが勝つ状況が続きそうだ」と見る。
同研究所は、目標や予算、キーワードから効果的な入札を自動的に行うリスティング広告の自動入札管理ツールが日本でも勢いを増していることや、ユーザーの閲覧履歴やキーワードを分析して、関連のある広告を表示するヤフーの広告サービス「インタレストマッチ」、中国最大手の検索エンジンBaidu(百度)の日本参入なども取り上げている。
そのほかのトピックは以下の通り。
― | 検索エンジンマーケティング業界10大ニュース |
---|---|
1 | Google、docomoとモバイルネット分野で提携 |
2 | Google、ストリートビューを日本で公開 |
3 | Yahoo! VS Google VS Microsoft の買収巡る争い |
4 | リスティング広告入札管理ツール元年 |
5 | ヤフー、インタレストマッチ広告 |
6 | 中国最大の検索エンジン、日本市場に参入 |
7 | 「Web検索」の枠を超えるGoogleとYahoo! - ブレンド検索の拡大 |
8 | 検索会社からSEO業界への情報発信、日本でも進む |
9 | アルゴリズム検索の対抗? ソーシャル検索やセマンティック検索のベンチャー企業相次ぐ |
10 | 高度なキーワード分析ツール登場 |
関連キーワード
Google | Yahoo! | 広告 | ヤフー(Yahoo!JAPAN) | Microsoft(マイクロソフト) | ストリートビュー | マーケティング | SEM | リスティング広告
関連記事
- Googleの次の10年間を展望する
Choromeのリリース、そして今後予想されるChromeとAndroidの結合により、Googleは検索エンジンのリーダーという地位からさらに飛躍し、2018年までにはWebアプリケーションプロバイダーとしてもトップの座を確保するだろう。 - ネットの逆流(2):Googleマイマップ、自動保存でリアルタイム公開の怖さ
前回取り上げた「Googleマイマップ」について、一般公開におけるさらなる危険性や限定公開にした場合にもリスクがあることなどを伝える。 - ネットの逆流(1):Googleマイマップで意図せぬ情報公開多発、「うっかり」で済めばいいが
時の流れとともにネットが進化している。だが完璧ではない。ときに逆流し、氾濫する。人々が思ってもみなかった方向にその流れが変わるかもしれないのである。 - バルマー氏の真意は:MSがYahoo!のルー氏を獲得――検索分野で対Googleの戦術転換
業界アナリストたちは、Microsoftのスティーブ・バルマーCEOがYahoo!の検索技術の指導者だったチー・ルー氏を迎え入れたことが、Microsoftのオンラインサービス部門にどんな意味があるのか首をひねっているようだ。MicrosoftはGoogleの手品の種を手に入れようとしているのかもしれない。 - [WSJ] Googleも不況には勝てぬ――福利厚生削減、実験的プロジェクト縮小
かつて、Googleでは「プロジェクトがお金になるかどうか」を論じることは愚かだとされていた。だが今は、コストを抑えるために幾つかの実験的プロジェクトをたたんでいる。 - オルタナブログ通信:IT業界も大打撃――経済危機、政府は本当に景気対策を考えているのか?
175組を超えるオルタナティブ・ブロガーが、ITにまつわる時事ネタなどを、日々発信している、ITmediaのビジネス・ブログメディア「オルタナティブ・ブログ」。今週はその中から、スパム、不況、ビジネスSNS、子供とインターネット、iPhone、IPアドレスの枯渇などを紹介しよう。 - Microsoftが感謝祭に感謝すべき10のこと
Microsoftはビル・ゲイツの引退に感謝し、Yahoo!のジェリー・ヤンCEOにギフトを贈るべきだ。 - 行動履歴や属性に応じた広告を配信:ヤフー、興味関心連動型広告「インタレストマッチ」の配信を開始
ヤフーは、ユーザーの年齢や性別、閲覧するWebページの内容を分析し、嗜好に見合った広告を配信するサービスの提供を開始した。Yahoo! JAPAN内の22サイトで広告が配信される。 - Weekly Memo:米Yahoo!を援護射撃!? ―― Yahoo! JAPAN、新サービスに込めた心意気
ヤフーが7月17日、インターネット広告の新サービスを発表した。日本法人の独自開発商品だが、「うまく行けば海外展開も」との心意気。買収騒動で揺れる米Yahoo!の援護射撃ともなるか!? - 今秋に開始:ヤフーが新たな「連動型」広告 Webページの閲覧内容や履歴に応じて配信
ヤフーは、Webページの閲覧履歴や閲覧に至るまでの経路、ユーザーの性別や年代などを分析し、ユーザーの嗜好に見合った広告を配信するサービスを今秋に開始する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.