景気後退局面でエンタープライズソーシャルソフトウェアは統合段階へ:倒産かバーゲン価格の身売りへ(2/2 ページ)
Gartnerのアナリスト、マット・ケイン氏によるとメッセージングなどのベンダーの60%は来年、買収されるか倒産の憂き目に遭い、買収されるにしても景気後退の影響を受けてバーゲンプライスで身売りすることになるだろうという。
実際、もし歴史が何かを示唆しているとすれば、ソーシャルコラボレーションベンダーの数は大きく減少するだろう。ドットコムバブルがはじけた2000年ごろ、CRM業界をウォッチしていたケイン氏は、その経験から、おそらく買収されるベンダーは最低ラインのバーゲンプライスで身売りすることになるだろうと話す。
今回の景気後退とドットコムバブルの崩壊を同列に論じることはできない、とする声は多い。当時、ドットコム企業はインフラに膨大な資金を投じていた。今日のWeb 2.0企業には、そうした大規模な投資を回避する道があり、デリバリメカニズムとしてインターネットを活用すれば、従来と比較にならないほど低コストで事業展開が可能になった。また、こうしたビジネスの場合、必要とするサーバやストレージも少なくてすむ。
2009年以降にソーシャルソフトウェアの購入を検討している顧客は、そろそろドライバーズシートに座るだろう。そうした顧客を狙うIBMやMicrosoft、Oracleなどの大手ベンダーは、新しい技術を買収し、自社のポートフォリオに組み込んで、製品ラインの強化を目指しつつある。
ケイン氏は、現行のメッセージングおよびコラボレーションプロバイダであるIBMやMiceoroftがソーシャルソフトウェア市場を牽引し、 Cisco SystemsやGoogle、その他のベンダーが市場参入してくることを期待している。同氏はこう指摘する。
「ある時点で機能的な飽和状態がやってくる。そのときMicrosoftは、人々の要求の85%に対応できる製品を投入し、それまで最先端の高機能製品を提供してきた小さなベンダー群を蹴散らすだろう。そしてソーシャルソフトウェアの大波が引き始めるころ、MicrosoftとIBMがほとんどの人々の要求に完璧に対応できる製品を供給するようになる」
Gartnerでは、今後、大企業の30%以上が従業員向けにブログ、RSS、ウィキ、その他のツールを導入するとみている。この30%という数字は、2012年までに60%のベンダーがソーシャルソフトウェア市場から姿を消すという予測と同様、かなり控えめな見積もりだ。
しかしGartnerは、経営上の利点が明確でないことと、従業員やコンテンツへのコントロールが利かなくなるかもしれないという不安感が、導入を妨げる要因になるとしている。
導入したソーシャルソフトウェアがうまく機能している企業もあるが、セキュリティや既存システムとの統合化など、困難な条件が障害となり、導入を見合わせている企業も少なくない。
ただ、すでに多くの企業が、IT部門が関知しないまま、エンタープライズソフトウェアツールの利用を始めている、とケイン氏は指摘する。
「草の根レベルでそれらが浸透しているとすれば、企業レベルでの配備を、どう定義すればよいか? そうした実態を反映させれば、導入企業のパーセンテージは倍増するだろう」
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