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フジテレビ、テレビ番組の品質をファイルベースで自動検証するシステムを稼働:品質劣化やエラーを自動検証
テレビ番組の品質をファイルベースで自動検証するシステムをフジテレビが採用した。人手を介した検証に比べ、品質の劣化やエラーの検出の精度を上げられるという。
フジテレビジョンは、HDTV(高精細度テレビ)番組のコンテンツの品質を自動検証するシステム「Cerify」を10台採用し、12月1日から稼働させている。Cerifyを提供した米Tektronixが1月7日に発表した。
フジテレビは、収録した番組の放送について、従来のテープを使用したシステムから、サーバを使ったファイルベースのシステムへの移行を検討していた。番組送出の最終段階を扱う主調整室のシステム更新時期に伴い、番組コンテンツを大規模なファイルとして扱えるCerifyの導入を決めた。
課題に挙がっていたのは、番組の品質検証と管理。従来はVTRで再生したコンテンツを人間と機械で検証していた。Cerifyの導入により、各コンテンツを再生せずに、圧縮されたファイルデータの状態で品質を検証できるようになった。人間では確認できないような品質劣化やエラーの検出もできるという。
Cerifyは、ファイルベースの映像や音楽のコンテンツを、配信前や使用前に確認できるシステム。コンテンツのファイルを取り込む時にエンコードが適切かを確認し、編集や転送、コピーなどでファイルが損傷していないかを検証する。ユーザーごとに定義できるテンプレートを用いて、テスト内容をコンテンツに応じて設定することで、特定のコンテンツや伝送チャンネルの品質を継続的に計測できる。
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