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いなげや、首都圏30店舗でソニーのデジタルサイネージを生かした販売促進:調味料の売上数量が3倍に
小売業界でデジタルサイネージを販売促進に活用する動きが出始めてきた。スーパーマーケットチェーンのいなげやは、ソニーのデジタルサイネージを採用し、首都圏30店舗に254台の電子看板を設置する。
スーパーマーケットチェーンのいなげやは、商品や料理のレシピなどを配信するデジタルサイネージ(電子看板)を首都圏30店舗に導入し、3月から広告を配信する。
いなげやは、首都圏で展開するスーパーマーケットに20V型/26V型/32V型のデジタルサイネージを254台導入する。特売や店舗情報、広告などのコンテンツを表示するソニーの「ミルとくチャンネル」という専用チャンネルを使い、料理のレシピや女性のライフスタイルに関連する情報を売り場のディスプレイに配信することで、販売促進の底上げを狙う。
いなげや花小金井駅前店でデジタルサイネージの実証実験を約2カ月行ったところ、調味料の売上数量が3倍になった。一定の効果が得られたことで導入に踏み切った。
広告の配信に利用するのは、ソニーの「デジタルサイネージアドバタイジング(広告配信)サービス」。最大1万台にコンテンツを配信できるプラットフォーム「BEADS」を活用して、広告効果の高い場所に設置したディスプレイに情報を配信する仕組みだ。
ソニーは、小売業界を中心に同サービスを展開する考え。ミルとくチャンネルを配信するディスプレイは、2008年6月に導入したスーパーマーケット「Olympic」の事例と合わせて、400台規模になったという。
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