Salesforce.comが「IBM LotusLive」と連携:Googleとの提携を補完(2/2 ページ)
Salesforce.comは、IBMと提携してSaaSメッセージング/コラボレーションスイート「LotusLive」を自社のCRMエンタープライズソリューションと連携させる。しかし、クラウドコンピューティングのパートナーであるGoogleと縁を切るつもりはないとしている。
IBMとGoogleはSalesforce.com上で共存可能
「われわれは顧客が求める機能を提供するだけだ。当社もIBMもGoogleも、1セットのサービスで市場を完全に支配できるとは考えていないと思う。われわれがOutlook、Lotus Notes、そして今度はLotusLiveをサポートするのもそのためであり、当社がGoogleと戦略的な提携関係にあるのは明らかだ」とグロス氏は語る。
グロス氏の説明によると、1社ないし2社の強い企業によってクラウドコンピューティングのエコシステムが支配されると考えている人もいるが、実際にはクラウドは、Microsoft、IBM、Oracleなど数千社もの企業の資金庫を満たしたクライアント/サーバアーキテクチャと同じくらい豊かで多様性に富んだ分野になるという。
Salesforce.comがIBM、Google、Facebook、Amazon Web Servicesなどクラウド分野の多数のベンダーと提携したのも、そういった考え方が背景にあるようだ。「われわれは、市場をリードするサービスに加えて優れた相互運用性と共通の利用環境を提供したい。それが顧客の利益になるからだ。MicrosoftがForce.com上で開発したいというのであれば、われわれは歓迎する。この分野では何が起きても不思議ではない」とグロス氏は付け加える。
グロス氏は、IBMとSalesforce.comの提携に大きな期待を抱いているという。「LotusLiveで何がエキサイティングかといえば、IBMのような規模の企業が市場に参入することは、業界全体にとってプラスになるということだ」と同氏は語る。
一方、LotusLiveの責任者を務めるIBMのオンラインコラボレーション担当副社長、ショーン・ポーリー氏は、Googleやほかのどんな企業よりもIBMの方がSalesforce.comとの提携相手としてふさわしいと考えている。
ポーリー氏によると、GoogleとSalesforce.comはGoogle Docsを通じてつながっているが、LotusLiveではビジネスプロセス全体におけるコラボレーションの実現を目指すという。同氏はLotusphereでeWEEKの取材に対し、「LotusLiveとSalesforce.comの連携は、顧客のニーズを調べる、パートナーと会議する、ドキュメントを保存するといった販促活動全体を支援するものだ。接続のための接続ではない。販売プロセスを強化するのが目的なのだ」と語った。
Googleは警戒する必要がありそうだ。Salesforce.comが中立主義を維持するかぎり、IBMがすぐにGoogleに取って代わることはないだろうが、将来の広範な市場でIBMがGoogleを追い落とそうとするのは間違いない。
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