日立システム、ERPで日本独自の給与体系に対応 MS・日立と協力:「Dynamics AX」と「GEMPLANET」を連携
日立システムが日本独自の給与体系に対応するERPサービスの提供を開始する。マイクロソフト「Dynamics AX」と日立製作所の「GEMPLANET給与システム」を連携する。
日立システムアンドサービス(日立システム)は2月9日、これまで販売してきたマイクロソフトのERP(基幹業務管理パッケージ)「Dynamics AX」に、日本独自の給与体系や勤務形態に対応した給与システムを連携させ、ERPサービスとして2月10日から提供すると発表した。
今回提供するサービスは、Dynamics AXの給与管理の部分と、日立製作所のERP「GEMPLANET Ver.2」の給与システムを連携させる。給与/賞与計算、社会保険サポート、年末調整サポート、退職金サポートなど日本の法制度に対応した給与管理を、サプライチェーン管理、生産管理、会計管理の基本機能を備えるDynamics AXで使えるようにする。
GEMPLANET Ver.2は、日立システムが提供する従業員の勤怠管理パッケージ製品「リシテアシリーズ」とも連携可能。こうした製品の機能もDynamics AXに取り入れられる。
日立システムは、従来から中堅企業向けのERPパッケージ製品として、Dynamics AXを基にしたERPのサービスを提供してきた。今回の連携で日本独自の給与体系を管理できる機能を新たに備えた。従来は、サービスを採用した企業ごとに給与体系が異なっており、それに基づいた個別のカスタマイズが必要だった。こうした開発の工数を大幅に削減できるという。
同社はマイクロソフト、日立と業務提携を結んでおり、Dynamics AXを活用したERPサービスについて、2011年度に4億円の売り上げを目指す。
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