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日立、グループ再編で中堅中小向け事業の拡大狙う:運用支援サービスでSMB市場に活路
日立製作所はSMB市場での利益獲得を目指し、グループの再編を行う。北海道、四国、九州地域のグループ会社を日立電子サービスの連結子会社にして、各地域でのITの運用サービスを強化する。
日立製作所は2月9日、中堅・中小規模の企業(SMB:Small and Medium Business)向けサポートサービス事業の強化を目指し、グループ会社を再編すると発表した。北海道、四国、九州のグループ会社の出資比率を変更し、4月1日付でシステム保守の日立電子サービスの連結子会社にする。
再編により日立電サの子会社になるのは、北海道日立ソリューションズ、日立四国ソリューションズ、九州日立ソリューションズの3社。現在は3社とも日立が55%、日立電サが45%出資しているが、この出資比率を日立33%、日立電サ67%に変更する。
日立電サは、日立グループで主にシステムの保守や運用を手掛けており、全国320カ所にサービス拠点でIT機器の調達や構築、管理を一括で提供するサービスを展開している。今回3社を子会社化することで、各地域の中堅・中小企業を支援する体制を整える。
景気の悪化に伴い国内のIT市場が冷え込む中、SMB市場では、パッケージ製品の提供に加え、ネットワークやセキュリティの構築、アウトソーシング、ITマネジメントなどをサービスとして一括で提供する事業が成長するとみられている。日立グループは今回の再編を通じて、規模の拡大が見込まれるSMB市場を開拓し、利益の拡大につなげる。
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