身勝手な「メール信者」ボクメツ大作戦!:悲しき女子ヘルプデスク物語(4/4 ページ)
メールを送れば「すぐに見てくれる」なんて勝手に思われても、受け取る側の都合だってある。隣の席からわざわざメールをしてくる内気な人もちょっと困る。今回は、そんな身勝手な「メール信者」に振り回されたお話。
「16時までにお返事ください」なんて30分前に言われても…
2、3年ほど前の話。帰宅前(18時は確実に過ぎていた)にメールをチェックをしたら、社外の取引先から【重要 要返事】と書かれたメールが来ていることに気が付いた。本文に目を通すとそこには、16時までに返事がほしいと書かれている。「ぎぇぇぇぇぇえええええっ!」と声にならない悲鳴、いや、雄叫び(?)を上げてしまった。
特に急がなければならないような内容にも思えないのだが、送信者は早く返事がほしかったのだろう。あらためてメールの送信時間を見ると、15時30分になっている。どうやらこのメールの送信者は、「メールを出してから30分以内にわたしが読む、そしてすぐにアクションを起こしてくれる」と信じて疑わなかったようだ。
相手が勝手に決めた期限を2時間も超過していたので、わたしはそのメールの主に電話をした。そのメールの送り主は、「どうしてすぐに返事をしてくださらなかったのですか!? 」だって。まるでこっちが悪いみたいじゃない。確かその時間はヘルプコールへの対応で、長時間席にいなかったのよ……。「メールを出した=相手が読んだ」と思い込んでいる「メール信者」は、ここにもいたわけだ。
メールを出すとすぐに返事がもらえると思っている人や、メールを出しただけでもう伝わったと思ってしまう人は多い。内容によっては電話やFAXのほうが適切なこともあるのに、こういった「メール信者」たちはなぜかメール以外の方法を嫌う。
中には「メールへの返事は必ずメールで」と強制してくる者さえいるのだ。しかし、今回のようにすぐに返事がほしいのなら、メールではなく電話のほうが早いんじゃないかしら。メールは便利だけど、万能ではない。ツールに頼るのではなく、そのツールを使う人の側の姿勢が問題だと、わたしは思う。
その日の夕方、帰宅途中に不意に携帯電話が鳴った。Y子からメールだ。内容は「社内でグループウェアを導入することになった、これで会議の日程変更も大丈夫」ですって……。Y子よ、お前もか。大事なのはツールではなく、使う側の姿勢なのだよ。
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