SAPジャパン、製造現場向け新実行系ソフトを提供:製造現場もパッケージで
SAPジャパンはグローバル展開する日本の製造企業向けに、製造現場の機械などと連携するMESと呼ぶ実行系ソフトウェアの新製品を6月から提供する。
SAPジャパンはグローバル展開する日本の製造企業向けに、製造現場の機械などと連携するMES(Manufacturing Executionn System)と呼ぶ実行系ソフトウェアの新製品を6月から提供するとアイティメディアの取材で明らかにした。また、分散している製造現場のシステム間をつなぎ、生産などに関する全体の状況をポータル上で一元的に把握できるソフトウェアの新版を3月末に発売することも併せて明らかにしている。「要件が複雑でパッケージの利用が難しい」といわれる製造現場システムの常識を覆す考えだ。
新製品は組み立て製造業向け製造実行システム「SAP Manufacturing Execution」。Manufacturing Executionを活用すると、グローバルに工場を多拠点展開する製造業者が、工場のシステム全体を標準化できる。現場で独自に管理していたものも含めて、さまざまなシステムを連携できるようになる。これにより、世界中に分散する工場を統合する形で、製造品目の単品管理など情報の連携やトレーサビリティの確保を図れる。
従来製造業のMESは「手づくり」が主流だったが、手づくりでは製造業の海外展開などにより新興国などにすばやく工場を設立するのが難しいといった問題もあった。
一方、1つの工場内だけでなく、世界に分散する工場の情報を一元管理するソフトウェアの新版「SAP MII(Manufacturing Integration and Intelligence)」も発売する。
MIIは、製造にかかわるあらゆるデータをリアルタイムに可視化できるソフトウェア。すでに世界で1000社が導入している。最新版には、製造現場で起きる予期できない出来事を知らせる「リアルタイム・イベント・リスナー」と、そうした異常事態に自動的に対応する「リアルタイム・ハンドラー」を実装した。ダッシュボードやポータルなどへのリアルタイムのアラート表示やメールの自動配信など、製造現場の生産性を上げるための機能を拡充した。
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