無料ウイルス対策ソフトのユーザーほど熱心に更新――IPA調べ:USBメモリの対策は6割強
製品版よりも無料版のウイルス対策ソフトを使用するユーザーの方が熱心に定義ファイルを更新していた。
情報処理推進機構(IPA)は3月30日、PCユーザー5000人を対象に実施したUSBメモリや無線LANなどの利用に関するセキュリティ意識調査の結果を公表した。無線LANのセキュリティ対策は十分に浸透していない様子が明らかになった。
セキュリティ対策ソフトウェアの導入状況は75.6%で、定義ファイルの更新状況は「自動更新を設定」が75.6%と最多を占め、以下、「手動更新」(13.2%)、「更新しているか分からない」(8.5%)、「更新していない」(2.7%)だった。
製品版ユーザー(2752人)と無償版ユーザー(383人)の比較では、自動更新を設定する製品版ユーザーが75.5%だったのに対し、無償版ユーザーは85.4%。更新しているか分からないとの回答では製品版ユーザーが8.1%だったのに対し、無償版ユーザーは2.9%だった。アンケート回答時における定義ファイルの更新状態では、「1日前に実施した」という回答が製品版ユーザーで36.2%、無償版ユーザーで58.3%だった。
結果についてIPAセキュリティセンターは、「無償版のユーザーは自発的にサービスを利用する傾向が強いようだ」とコメント。製品版はPC購入時にバンドルされていることが多いものの、無償版はユーザー自身が入手する必要があるものが多いことから、セキュリティ意識が高い可能性があるという。
無線LAN対策はよく分からない
USBメモリの使用経験では「現在使用している」(59.2%)、「過去に使用していた」(12.4%)、「使用経験なし」(28.4%)だった。使用形態では、「個人USBメモリを個人のPCで使う」が94.6%で最多を占め、以下、「個人のUSBメモリを他人のPCでも使用」(28.3%)、「他人のUSBメモリを自分のPCで使用」(13.8%)となった。
USBメモリのセキュリティ対策では「実施している」が67.0%だった。内訳は「不審なUSBメモリを使わない」(50.2%)、「公共PCなどセキュリティ対策が不明なものでは使わない」(41.3%)が多数を占め、以下、「自動実行機能を無効にする」(18.5%)、「使用するPCのセキュリティ対策を最新状態にする」(18.3%)、「USBメモリ内のウイルス検査」(14.7%)だった。
USBメモリを通じたウイルス感染などの認知状況では、「詳しく知っている」「概要をある程度知っている」という割合が、セキュリティ対策を実施している回答者の半数以上となったものの、回答者全体では39.9%にとどまった。「全く知らない」との回答はセキュリティ対策を実施している回答者の14.4%、回答者全体では26.4%だった。
無線LAN利用者(1631人)のセキュリティ対策状況では、暗号化通信を「実施している」が58.5%、「しているか分からない」が29.5%、「していない」が12.0%だった。使用する暗号化技術では「WEP」が21.7%、「WPA」が7.0%、「WPA2」が6.0%だった。なお、「分からない」が23.8%あった。
暗号化通信以外のセキュリティ対策では、「実施している」が39.0%、「実施していない」が60.2%。実施内容では「MACアドレスによる制限」が26.1%で最多となり、以下、「SSIDの非通知」(14.8%)、「SSIDの“ANY”接続を拒否」(13.5%)が続いた。
IPAは、「WEP暗号の解読が容易にできるなど無線LANには新たな課題が浮上している一方で、セキュリティ意識が十分に浸透していない」と指摘。ユーザーへの啓蒙活動の強化などが必要だと提起した。
同調査は、15歳以上の個人利用者を対象にインターネットアンケートを1月に実施した。男性2635人、女性2375人から有効回答を得ている。
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