インフォファーム、中堅市場向けSFA/CRM製品の最新版を発表:急務の営業改革
インフォファームは、自社開発のSFA/CRMパッケージソフトウェアの最新版「戦略箱ADVANCED」を、2009年4月16日より出荷開始する。
現実的な「営業改革」を推進するツール
現在提供している「InfoFarm 戦略箱」は、日本の商習慣に基づいて開発された純国産のSFA/CRM製品。2000年にリリースされた。顧客接点業務部門の生産性と収益を高め、顧客中心主義を実現するための豊富な機能を提供し、海外製品と比べ約10分の1の初期導入コストで同等以上の機能を実現し、定着が難しいと言われているSFA/CRMの中でも90%以上の高い定着率を誇る。また、最新版であるOracle Database 11gおよびOracle Application Server 10g R3に対応し、オラクルのプラットフォーム上での導入実績が豊富だという。インフォファームによると「InfoFarm 戦略箱」は首都圏を中心とした従業員1000人以上の企業80社程度に導入されているという。
今回発表された最新版の「戦略箱ADVANCED」はAjaxなど新技術を採用して機能刷新しており、2009年4月16日よりを提供開始する。「戦略箱ADVANCED」は、「和の心」をコンセプトに、スケジュールや案件へのコメント機能を追加するなど、日本企業において重視されるコミュニケーション機能を強化したという。また、カスタマイズ導入したユーザーにもバージョンアップを可能とするサービスを、SFA/CRMパッケージとして初めて提供する。この機能はプログラム内にユーザーロジックをコーディングできる領域を定義し、その領域でカスタマイズのためのプログラミングをしてもバージョンアップが可能になるという。
インフォファームは、オラクルのプラットフォームを採用するメリットを生かし、プラットフォームで提供される機能は独自に作り込まず、利用することでコスト削減にも取り組んでいる。例えば、パッケージの検索エンジンは「Oracle Database」に標準機能として無償提供される高性能全文検索エンジン「Oracle Text」を活用し、製品内に格納されたデータを横断的に検索できる機能を実装している。
インフォファームの辻博文 代表取締役社長は今回の発表で次のように話す。
「当社はパッケージをばらまく戦略ではなく、コンサルティングをしっかりやらせてもらった上で、ユーザー企業で存分に活用できるようになるまでお付き合いをさせていただく手法をとってきた。この手法は今後も変わらないが、ビジネスの領域をさらに広げ、社員数1000人以下の中堅企業のお客様にアプローチしていきたい」
また同社常務取締役 大友康宏氏は中堅市場向けの戦略について、次のように語った。
「2009年10月までに8社、以降2010年10月までに20社の導入を目標とている。またSaaS形式の導入方法も可能なので、この分野では同時期に10社の導入を進めていきたい。InfoFarm 戦略箱は導入企業からは好評をいただき、『どうしてもっとPRしないのか』といわれるほどで、ユーザー企業から別のお客を紹介していただくこともあった。もともと導入先の業種は問わない製品だが、流通、サービス、メーカー販社などのウエイトが高くなると考えている」
戦略箱ADVANCEDは、4月23日〜24日に「Oracle OpenWorld Tokyo 2009」の展示コーナーでも紹介される予定だ。日本オラクルの鈴木登志夫常務執行役員は次のように話す。
「日本のユーザーに根ざしたInfoFarm 戦略箱の最新版は、非常に魅力的な製品だ。企業の現場でフル活用されている製品なので、今後、機能面でのさらなる進化も急ピッチで進むだろう。オラクル製品との連携もますます深まるはずだ」
また、InfoFarm 戦略箱を活用して多くの企業にコンサルティング活動をしてきた、べリングポイントの中本雅也執行役員も同製品の魅力について語った。
「今日のような経済状況になっても、多くの企業で、営業強化関連のIT投資は据え置かれている。それは、簡単には契約が取れない状況になった今、もう一度自社の営業体制を見直そうとしているからだ。本当にセールスをかけるべきなのはどこの誰なのか、これまで適切なアプローチができていたのか、ということを見直し、新たに攻勢をかけるには、個人の能力よりもチームでの営業力が問われている。InfoFarm 戦略箱はチーム力を向上させるツールだ」
インフォファームの辻博文社長は「営業というのは、曖昧模糊としていて改革しようにもどこから手をつけていいか分からないケースが多い。状況分析はできても具体的なアクションが見えてこない、個人がそれぞれに自分の作業に閉じこもってしまい、助け合って効率よく仕事を進めるテクニックを把握できない、自社内での成功事例を誰もが閲覧することができない、など解決すべきポイントは山ほどあるので、1つずつていねいに解決していくしかない」と話す。
戦略箱ADVANCEDは、営業スタッフだけではなく全社員が利用することが基本となっており、マネジャーの過去の商談履歴も蓄積することができ、人脈情報も含めて簡単に引き出すことができる。インフォファームはユーザーやコンサルティングファームからの意見を積極的に取り入れ、導入企業の持つ文化や強みを最大限に引き出すことに注力してきたという。同社では、パートナー戦略をさらに強化し、首都圏を中心にセールスを進める。同業のパッケージベンダーの間では「強敵」として知る人ぞ知るという存在だったツールをユーザー企業の間でも浸透させていく方針だ。
価格は50ユーザーライセンスで500万円(税別)。1追加ユーザーライセンスは6万円(税別)。データベース製品は別料金となる。OSはWindows、Linux、Unix、データベースはOracle Databese 10g R2以降に対応。アプリケーション・サーバーはOracle Internet Application Server 10g R3以降、またはIBM WebSphere Application Server V6.1以降で動作確認済み。SaaSモデルは2009年11月以降に展開する予定だ。
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