Web 2.0アプリ配信を高速化、シトリックスがNetScalerの新版公開:サーバを10分の1に
シトリックスは、Web 2.0アプリケーションの配信を高速化する新技術を搭載したNetScalerの最新版を公開した。
シトリックス・システムズ・ジャパンは4月15日、Webアプリケーション配信用アプライアンス製品の最新版となる「Citrix NetScaler 9.0」を公開した。Web 2.0アプリケーションの高速配信を可能にする新技術「Web 2.0 Push」を搭載している。
NetScalerは、Webサーバやアプリケーションサーバなどと連携して、Webアプリケーションの高速配信を行う。負荷分散やデータのキャッシュ/圧縮、SSL通信などの機能を搭載している。Web 2.0 Pushは、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)やマルチメディアデータの共有サービスといったWeb 2.0型アプリケーションのサーバとユーザーとの接続を統合的に管理するための技術となる。
同技術では、まずNetScalerにバックエンド側のアプリケーションサーバのサービスデータをキャッシュする。ユーザーから寄せられた複数のリクエストをNetScalerで受け付け、リクエスト内容に応じてNetScalerはアプリケーションサーバの更新されたデータを照会する。ユーザーへ配信する際にNetScalerがキャッシュされているデータおよび更新されたデータを集約して提供する。
これにより、リクエストごとにアプリケーションサーバが応答してユーザーに応答するよりもレスポンスが改善する。コネクションの規模に応じたサーバを用意する必要がなくなり、サーバの台数を削減できるという。
米Citrix SystemsのNetScaler担当ジェネラルマネジャーのクラウス・オスターマン氏によれば、約500万人の加入者を抱えるサービスプロバイダーが同技術を先行導入したところ、アプリケーションサーバの台数を1000台から100台に削減した。
同氏は、「数百万のユーザーが多数のリクエストを寄せても、その内容は同一のものが多い。同様のリクエストはNetScalerから提供し、差分のデータをバックエンドのサーバから取り寄せる仕組み」と話す。従来はリクエストの増加にサーバの台数を増やすことで対処していたが、Web 2.0 Pushを利用することで逆に台数を減らすことができるという。
Web 2.0 PushはNetScalerのPlatinum版およびEnterprise版に搭載され、既存ユーザーは無償で利用できる。
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