社内ブログ活性化の条件:ITのコミュニケーションが失敗する理由(1)(2/2 ページ)
2003年に社内ブログを早々に導入した企業があった。しかし、経営者の判断により、遊び要素の記入を禁止した結果……。人材育成、組織開発コンサルティングを手掛ける大木豊成氏にITのコミュニケーションが失敗する理由を聞いた。
ひっかかるのはセキュリティ
しかし、大抵の場合、このプロセスで引っかかるのがセキュリティだ。セキュリティ上、こういったツールに企業の情報を載せてはいけない、といった議論がでてくる。これはきちんとクリアしておかなくてはならない。
わたしはコンサルタントとして相談を受けた時には、何が良くて何が悪いのかを整理することをお薦めしている。何でもかんでも発信して良いわけではないだろうし、かといって何でもNGというわけではないだろう。どの情報が良くて、どの情報がダメなのかがはっきりすれば、こういった問題はスムーズにクリアできるものだ。
このプロセスは、実は各企業のポリシーが問われるものでもある。ポリシーが不明確であると、何でも禁止するセキュリティルールを運用することになりがちだからだ。何でもかんでもガチガチに禁止することで、本来の目的が失われ、コミュニケーションの活性化に役立たなくなってしまう。しかし、だからといって緩すぎるルールもセキュリティ担当者としては心配が絶えない。
どこに落としどころを設けるかというのは、実は経営判断であるように思う。経営者がいちいち口出ししないような規模の企業なら、経営企画室や社長室が決めても良いのだろう。
セキュリティをきちんとクリアし、コミュニケーションを活性化する――。そういったことができることで、社内ブログや社内SNSを導入した意味がでてくる。
著者プロフィール:大木豊成(おおき とよしげ)
シンガポール大学(現NUS)卒業。米国PMI認定Project Management Professional取得。事業やサービスの立ち上げの経験を生かし、株式会社IWNCの組織開発コンサルタントを担当しています。組織もプロジェクトも、疲弊させず、常に活性し続けることが大事だと考えています。
関連記事
- 「伝説の営業マン」のノウハウを定着させる
英会話やダイエットと並び、「挫折産業」の1つとされるナレッジマネジメント。企業の永遠の課題ともいえる情報・知識共有の実現に、社内SNSやイントラブログは本当に役立つのだろうか。失敗事例と成功事例から、使い方、考え方のコツを探ってみる。 - 西武HDと西武鉄道、2000人が使う社内ポータルを構築
西武ホールディングスと西武鉄道は、SharePointとExchangeを使い、社内の情報共有を進めるポータルサイトを構築した。従業員2000人の情報伝達やスケジュール共有に役立てている。 - この逆境をチャンスに変えよ!――オルタナブロガーの提言
ITmediaのビジネス・ブログメディア「オルタナティブ・ブログ」では、ITにまつわる時事ネタなどを、175組を超えるオルタナティブ・ブロガーが日々、発信している。今週は、その中から、不況、携帯電話、ネットサービスと匿名性、動画、音ガ同などを紹介しよう。 - この逆境をチャンスに変えよ!――オルタナブロガーの提言
ITmediaのビジネス・ブログメディア「オルタナティブ・ブログ」では、ITにまつわる時事ネタなどを、175組を超えるオルタナティブ・ブロガーが日々、発信している。今週は、その中から、不況、携帯電話、ネットサービスと匿名性、動画、音ガ同などを紹介しよう。 - <オルタナティブ・ブログ>「走れ!プロジェクトマネージャー!」
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.