MSのセキュリティサービスは脅威にならず、F-SecureのCEO
F-Secureの日本法人設立10周年で来日したキモ・アラキオ社長兼CEOは、米Microsoftの無料ウイルス対策サービスについて、競合にはならないと語った。
フィンランドのセキュリティ企業F-Secureは6月24日、日本法人エフセキュアの設立10周年イベントに際して記者懇談会を開催。事業展開などについて、社長兼CEOのキモ・アラキオ氏らが説明した。
エフセキュアは1999年に設立され、Linux向けのセキュリティ対策製品やインターネットサービスプロバイダー(ISP)向けのセキュリティ対策サービスを主力にしている。桜田仁隆社長は、今後の展開について「従来からの分野を伸ばしつつ、海外で評価のあるモバイルセキュリティやSaaS(サービスとしてのソフトウェア)型ウイルス対策サービスの販売拡大を狙いたい」と説明した。
アラキオ氏は、「われわれはオンラインを介したセキュリティ対策サービスが主力であり、これまで190社のISPを通じて約5500万人のコンピュータ利用者を保護している」と説明。今後も同分野に注力するとともに、2008年から開始したSaaS型統合セキュリティサービス「in the cloudプロテクション」やオンラインバックアップサービスを、中堅・中小企業や個人向けに訴求するとしている。
また、アラキオ氏は米Microsoftが23日にリリースした無料のウイルス対策サービス「Security Essentials」のβ版について、「われわれのような専業ベンダーの対抗馬になるのではないかという見方があるが、脅威にならない」とコメント。
「同様のサービスを提供するセキュリティベンダーにとっては対抗馬になるが、ウイルス対策だけで今のセキュリティ問題へ対処するのは難しく、多層型の対策が必要」(同氏)と話し、パーソナルファイアウォールやフィッシング対策、クラウド連係機能なども持つ統合型セキュリティ対策ソフトの利用を呼び掛けた。
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