ニュース
日本のソフトウェア開発市場を支えるのは「年収700万円未満で35歳以上」
IDC Japanは国内ソフトウェア開発市場の実態調査結果を発表した。国内ソフトウェア開発者人口は約80万人で、35歳以上の開発者が回答者全体の72%を占めるなど、若年層の育成が遅れている実態が明らかとなった。
IDC Japanは11月26日、国内企業1732社に対して2009年6月に実施した「国内ソフトウェア開発市場の実態調査」に関する調査結果を発表した。同調査はソフトウェア開発者の産業別の人口推計と実態を調査したもの。
調査結果から、2009年の国内ソフトウェア開発者人口は、全体で80万人以上と同社は推計。産業分野別構成比ではソフトウェア/情報処理/通信(51%)、電気/電子/コンピュータ/通信機器/機械/機械部品/精密機械(21%)が際立っている。
また、35歳以上の開発者が回答者全体の72%を占めており、若年層の育成が遅れている実態が明らかとなった。個人年収については、金融/保険業で中堅クラスのプロジェクトリーダー層の比率が高く、個人年収も相対的に高い傾向を示しているとしながらも、700万円未満が全体の72%を占めているという。
ソフトウェア開発ツールについては、利用率が高い開発ツール(開発環境、Web設計/開発ツール、ソフトウェア構成管理ツール)と、低いツール(モデル駆動型開発ソフトウェア、自動ソフトウェア品質ツール、要求管理ツール)に2極化していることを指摘。開発ツールベンダーは、上流工程の効率化を支援する技術機能の強化に加えて、トレーニング、サポートなど、人的支援策を充実させるべきであると結んでいる。
関連記事
- 開発者の半数が1年以内にSaaSソフトウェアを開発予定
最近の「Evans Data Global Development Survey」によると、開発者の半数以上が、今後12カ月以内にSaaSモデルで提供されるプログラムの開発に取り組む予定だ。クラウドコンピューティングはSaaSよりも魅力に乏しいようで、クラウドサービスを利用している開発者は10%以下だった。 - 開発者の間でVisual Basicの利用が激減――Evans Dataの調査
北米の430人余りの開発者を対象に実施した調査では、「過去15年間を通じて最も人気の高いコンピュータ言語の1つである」Visual Basicの利用が開発者の間で激減していることが明らかになった。 - IDC、国内オープンソースソフトウェア利用実態調査結果を発表
IDC Japanは、国内企業に対して行った「国内オープンソースソフトウェア利用実態調査」の調査結果を発表した。サポートへの不安はあるものの、業務アプリケーションでもOSSを使用しようと考える企業が増えているようだ。 - オープンソース導入調査:コミュニティーより商用サポートを望む傾向が明らかに
多くの企業がオープンソースソフトウェアの利用にオープンだが、68%がコミュニティーではなく、ベンダーのサポートを望んでいるという。しかも、単一ベンダーのサポートは敬遠されているようだ。 - InfoWorld、2009年のオープンソースソフトウェア・ベスト40を発表
IDG傘下のInfoWorld Media Groupが発表した2009年のオープンソース40選には、モバイルアプリケーション開発ブームを象徴するソフトウェアも含まれるなど、新たな風が吹き始めている。 - 米Palamida、信頼できるオープンソースプロジェクトトップ25を発表
米Palamidaが発表した信頼できるオープンソースプロジェクトのトップ25には、NetBeansやEclipse、MySQLなどが挙げられている。 - 開発者はWebと動的言語を志向――調査で明らかに
最近のZiff Davis Enterpriseのリポートによると、開発者は新しいプロジェクトでWeb技術と動的言語を使いたがっているようだ。 - オープンソース:急成長のJavaScriptなど動的言語が人気
Black Duck Softwareが調査したオープンソースプロジェクトで利用される開発言語の最新動向によると、JavaScriptがトレンドとなっている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.