Mozilla、Firefoxのカスタマイズ機能を「Personas」と「JetPack」に収束させる方針を明らかに
Firefoxを開発するMozillaは今後、拡張における取り組みを「Personas」と「JetPack」に集約し、古いシステムを「冷遇」していく方針を明らかにした。
米Googleの「Chrome」の参入などによりWebブラウザ市場が活性化する中、Firefoxを開発するMozillaは今後、拡張における取り組みを「Personas」と「JetPack」に集約していく方向性を明らかにした。
Mozillaの開発者が1月9日付のブログで、テーマやアドオンなどのFirefoxの拡張について、今後の方針を明らかにした。テーマやアドオンは現在、ブラウザのバージョンアップやUIの変更への対応に多大な開発作業と時間を要していると問題を指摘、Mozilla Labsで開発が進められているPersonasとJetPackはこの問題を緩和し、プラットフォームの拡張を容易にすると説明している。
Personasは「スキン」と呼ばれるテーマファイルを使用してFirefoxの外観をカスタマイズする機構で、現在はFirefoxのアドオンとして配布されている。スキンはPersonasのWebサイトで公開されており、利用したいスキンをクリックするだけでFirefoxの外観をカスタマイズできる。
また、JetPackはFirefoxのアドオン開発をより簡単に行うためのフレームワーク。Firefoxのアドオン開発にはJavaScriptやCSSの知識に加え、XULやXPCOMといったFirefox内部で利用されている技術についての知識も必要だったが、JetPackを利用することでXULやXPCOMの知識がなくともFirefoxアドオンを作成できる。
Mozillaは拡張における今後の戦略としてPersonasとJetPackに集約し、古いシステムを「冷遇」していく方針を明らかにしている。「ブラウザ市場のリードを維持し、競争を展開するに当たって、迅速に動く必要がある」とし、アドオンの互換性問題に手間取るわけにはいかない、と続けている。これは戦略的決定であり、開発エコシステムを拡大し、開発者へのリーチを最大限に拡大する、と狙いを説明している。
今後、Mozillaは開発者やユーザーにアドオンからJetPackへの移行を奨励すると予想されるが、今回の発表はあくまでも方向性であり、具体的な計画や時期は未定とのことだ。
Mozillaは次期版「Firefox 3.6」でPersonasの統合を強化している。
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