米Oracleは5月17日(現地時間)、サブスクリプション型商用データベースサービスの最新版「MySQL Enterprise Spring 2010 Release」をリリースしたと発表した。価格は従来と変わらず599〜4999ドル。OracleによるSun買収完了後、初のMySQL Enterpriseのリリースになる。
新版ではMySQLサーバの統合監視ツール「MySQL Enterprise Monitor」のバージョンが2.2になり、柔軟性、操作性、スケーラビリティが向上したという。クエリのパフォーマンスを監視するための新たなオプションとして、Query Analyzerと通信するコネクタプラグインの追加やQuery Analyzerの検索オプション機能の拡張が行われたほか、セキュリティや操作性も向上した。
また、クエリの診断を収集してレポートにまとめる機能が追加され、MySQLサポートでの問題解決の短縮化が可能になったとしている。
OracleのSun買収を受けて、オープンソースコミュニティーには同社がMySQLのサポートを続けるのかどうか、オープンソースの精神を尊重するかどうかという懸念が広まっている。Oracleは買収発表当時からMySQLへの投資継続を表明しており、4月に開催された「MySQL Conference&Expo」でもMySQLへのコミットを再度強調し、「MySQL 5.5」開発の計画を発表した。
企業向け情報を集約した「ITmedia エンタープライズ」も併せてチェック
関連記事
- OracleがMySQL Cluster 7.1をリリース、次期MySQLの新機能詳細なども公開
- MySQLをめぐる疑問に答えるOracle――コミュニティーは納得するか?
OracleはMySQLカンファレンスで、このオープンソースデータベースに関する今後のロードマップについて説明する予定だ。 - OracleがSun買収を完了、OpenOffice.orgは独立事業部に
- MySQLを手に入れたOracle――IBMとMicrosoftに与える影響は?
- Sun統合の向こうに「うまい」「はやい」「やすい」はあるのか?
Oracleは「Hardware.Software.Complete.」をテーマに掲げたイベントを行い、Sunの買収完了を祝った。エリソンCEOは、統合された「ビジネスシステム」の提供とMySQLの投資継続を約束する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.