ARM、IBMらがモバイルLinux開発を推進する「Linaro」を立ち上げ、Intel対抗へ
英ARMや米IBM、韓国Samsungなど6社が、ARMチップ上で動作するLinux環境の開発を支援するために、SoC共通のツール/ソフトウェア土台を提供していく非営利組織を設立した。
英ARMや米IBM、韓国Samsungなど6社が6月2日(台湾時間)、非営利組織「Linaro」設立を発表した。ARMチップ上で動作するLinux環境の開発支援が目的。
Linaroを立ち上げたのは、ARM、IBM、Samsung、米Freescale Semiconductor、スイスST-Ericsson、米Texas Instrumentsの6社。ARMベースのシステムオンチップ(SoC)をターゲットとしているLinux開発者にツールやリソースを提供し、スマートフォン、タブレット、デジタルTV、車載システム、エンターテイメント機器など広範なLinux端末の開発を加速するのが目的。
モバイル向けのLinuxプラットフォームとしてはAndroidやMeeGo、LiMo、WebOS、Ubuntuなどがあり、これらと高性能/低消費電力を特徴とするARMチップを組み合わせた端末の開発が進んでいる。ARMベースのSoCはさまざまな半導体ベンダーがそれぞれに提供しており、選択肢が多い一方で開発が複雑になっている。これを解決するため、LinaroではSoC共通のツール/ソフトウェア土台を提供し、端末開発を支援する。
計画としては、さまざまなSoC向けに検証されたツール、カーネル、ミドルウェアを6カ月おきにリリースするという。まず、2010年11月に「ARM Cortex-A」ファミリ向けに最適化したソフトウェアとツールをリリースする予定だ。
Linaro誕生の背景について、Linuxやオープンソース技術はこれまでエンタープライズ分野で利用されてきたが、コミュニティーはWeb中心の高度なコンシューマー端末に拡大しつつある、としている。
モバイル端末向けのチップではARMのほか、米IntelもAtomを持つ。この市場で高いシェアを誇るARM陣営がモバイルLinuxでまとまることで、Intelには痛手となりそうだ。
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