米Googleは、傘下の電子メールセキュリティサービスPostiniの統計を基に2010年第3四半期のセキュリティ動向報告をまとめ、8月のウイルス流通量が前月比で241%の激増になったと伝えた。
それによると、第3四半期のウイルス流通量は前期比で42%、前年同期比で10%増加した。特に8月は過去最高のレベルに到達したという。スパム業者がクリスマス商戦に備え、ボットネットの形成を図っている可能性もあると同社は見ている。
一方、スパムメールの流通量は前期比16%減、前年同期比24%減となった。これは「Pushdo」というボットネットの一部が閉鎖されたことも一因のようだという。しかし、8月にマルウェアが多発したことによってボットネットの「種」が植えつけられ、第4四半期にスパムが増加に転じることも予想されるとしている。
ウイルスやスパムの手口では、ZIP形式やHTML形式の添付ファイルの中に悪質なJavaScriptを隠したり、短縮URLを使って不審なWebサイトへ誘導しようとする手口が増えているという。また、感染したコンピュータのHDDから、ユーザーが過去に送ったメールを取り出して再利用する手口も新たに浮上した。この場合、ユーザーはメールの文言に見覚えがあるためにスパムとは気付きにくいため、注意が必要だという。
スパムメールの内容を見ると、金融機関からの通知や配達不能通知を装ったり、有名人のゴシップをかたったりしてユーザーをだまそうとする手口が依然として横行しており、ユーザーは引き続き警戒が必要だと呼び掛けている。
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